●昨今、人気の牛丼チェーンの「からあげ」。特にからあげの旨さに定評のある吉野家となか卯のからあげを食べ比べ。
『吉野家』といえば牛丼、『なか卯』といえば親子丼。それぞれ看板商品は違いますが、実はどちらのお店も鶏のから揚げをご飯の上にのせた “から揚げ丼”が人気です。
吉野家は「から揚げ丼」、なか卯は「鶏唐丼」という名称。筆者はその両方を食べたことがありますが、どちらの店も1個1個のから揚げが大きくて、しかも専門店にも負けないくらいジューシーで美味しい。なので最近はからあげが食べたくなると、専門店を差し置いて吉野家かなか卯に行くこともあるほど。
しかし、どちらも美味しいとはいえ、吉野家となか卯のから揚げ丼の味わいは、けっこう違うんです。そこで今回は、両者をテイクアウトし、細かく食べ比べてその特徴と魅力を明らかにしたいと思います。
『吉野家』も『なか卯』もから揚げ3個が基本

まずは、値段から。
『吉野家』の「から揚げ丼」は、【並】が516円です。牛丼同様にサイズ変更ができ、【アタマの大盛】634円、【大盛】699円、【特盛】829円となります。

ちなみに、サイズによって何が違うのかを『吉野家』の店員さんに聞いてみたところ、下記のように教えてくれました。
・【並】:から揚げ3個/ご飯並盛り
・【アタマの大盛】:から揚げ4個/ご飯並盛り
・【大盛】:から揚げ4個/ご飯大盛り
・【特盛】:から揚げ5個/ご飯が特盛り
盛りが増えると、唐揚げが増えるシステムですね。

続いて『なか卯』の「鶏唐丼」は、【並】は590円です。こちらもサイズ変更が可能で、【大盛】660円、【特盛】810円、【豪快盛】940円。

こちらも『なか卯』の店員さんに、サイズ変更で何が変わるのかを聞いてみると、下の通り教えてくれました。
・【並】:から揚げ3個/ご飯並盛り
・【大盛】:から揚げ3個/ご飯大盛り
・【特盛】:から揚げ4個/ご飯大盛り
・【豪快盛】:から揚げ5個/ご飯が大盛り
全体的に『なか卯』のお値段の方が高いことがわかります。
さて、今回、2つの店で比較するのは【並】。つまり、から揚げ3個というのは一緒ですが、『吉野家』516円なのに対し、『なか卯』は590円。『なか卯』のほうが74円高い。この差は一体何なのか? 気になりますよね。
さっそく、それぞれのから揚げの重量を計ってみました。

吉野家【並】:から揚げ3個(162g)/ご飯201g
なか卯【並】:から揚げ3個(199g)/ご飯205g
『吉野家』の唐揚げが1個あたり54gなのに対し、『なか卯』は1個あたり66gで、重量があることがわかります。

実際並べてみたのが次の写真。『なか卯』のほうがひと回り大きいことがわかりますよね。

そしてこの写真を見るとわかるように、『吉野家』の唐揚げは、衣をつけて揚げた状態のままですが、『なか卯』の唐揚げは、揚げた後にタレとネギがかかっています。
いざ実食。味の違いが明らかに!

ではまず『吉野家』のから揚げから食べてみます。衣がサクッとしていて、中の肉は弾力がありつつ、柔らかくて、前歯を入れると肉汁がほとばしるタイプです。そして下味の生姜がしっかり効いている。まさに王道のから揚げの味わいです。
テイクアウトの場合は、ごはんとおかず(から揚げとキャベツ)がセパレートになっているので、丼ではなく「からあげ定食」のように別々に食べられるのもポイント。肉の脂の旨味が強いので、白いごはん、キャベツとも相性バッチリです。付属でマヨネーズもつけてくれます。このマヨネーズがまたよく合い、居酒屋でつまみに食べる唐揚げのようなおつまみ味に変貌します。

次に『なか卯』のから揚げです。
そして、絡まっている醤油ダレがかなり甘めながら旨味もしっかりある。そのタレがごはんにしっかり染みているので、食べていると “焼き鳥丼”や“うな重”を食べているような、そんなイメージ。そう、『なか卯』の「鶏唐丼」は、そこはかとなく高級感があるんです。
まとめ

というわけで、『吉野家』の「から揚げ丼」(並・516円)と『なか卯』の「鶏唐丼」(並・590円)。交互に食べ比べてみると、まったく違うベクトルに進化したから揚げだということが改めてわかりました。
どちらが美味しいという比較もできないくらい、違うモノ。そして好みもかなり分かれると思います。
(撮影・文◎土原亜子)