最北の蒸溜所から届いたスコッチウイスキー。
スコットランドの北端、大小70の島々で構成されるオークニー諸島。
常に強風が吹き荒れ、木々すらも生き残れないというオークニー島の厳しい自然の中、200年以上も変わらぬ製法が貫かれている『HIGHLAND PARK』。しかし伝統とともに受け継がれるヴァイキングの魂は、“ただ守り続けること”を許しません。その誇り高き魂が目指すのは、常に戦い、挑戦し続けること。

さて、そんな「HIGHLAND PARK」をさらに楽しむために、ある夜、開かれたイベント。会場となったのは、調布『Maruta』。環境重視の店づくり、ローカルファーストの食材調達、そして薪火という調理法を通して、常にレストランの新たな可能性を模索し続ける名店です。
果たしてそんな『Maruta』のスピリットは、「HIGHLAND PARK」の哲学とどう共鳴するのか。まだ見ぬコラボレーションに期待が尽きない一夜限りのスペシャルディナー『HIGHLAND PARK presents WILD HARMONY SESSION in Maruta』の開幕です。
まずはテイスティングで、シングルモルト本来の味と香りを堪能。

さて、いよいよ幕を開けたスペシャルディナー。ウイスキーと薪火料理のペアリングへの期待が高まりますが、その前にまずはテイスティングでシングルモルト・スコッチウイスキーそのものの味を確かめます。

ゲストの前に用意されたのは、「HIGHLAND PARK」12年、15年、18年の3種のヴィンテージ。それぞれの特長を、ブランドマネージャーである藤井氏が解説します。グラスを掲げて色を見て、鼻を近づけて香りを感じ、そして口に含んで味と余韻を確かめる。そうして正面からしっかりと向き合うことで、改めて「HIGHLAND PARK」の魅力が見えてきます。

力強いのに角のない味わい、ほのかにスモーキーな独特のピート香、ハチミツを思わせる柔らかな甘み。それぞれのヴィンテージによる個性も、藤井氏の言葉とともに実感を伴って染み込みます。厳しい自然環境と悠久の歴史が作り上げた、唯一無二のフレーバー。その独自性は、勇敢に挑み続け積み重ねた伝統の証。そんな重厚な物語を身近に感じられた瞬間でした。

続いてはいよいよ料理の登場です。

香りを起点にしたペアリングに定評がある外山氏の今回の狙いは、ウイスキーの香りにクローズアップすること。12年のオレンジのような軽やかさには、香草を加えた干し柿で作ったサラミ、15年にはパイナップルのような甘みにはイチゴのアイスクリーム、18年はナッツやチョコレートを思わせる風味と熟成感には牛脂のクッキー。調和するのではなく、ウイスキーの個性を伸ばすことを意識した素晴らしいペアリングでした。

炎で仕上げる料理と、ヴァイキングの魂を継いだウイスキーの調和。

続く料理の前に、ここからは趣向を変えてスタンディング形式に。大皿の料理をブッフェスタイルで取り分け、「HIGHLAND PARK」はバーカウンターで好みの飲み方を注文するスタイルです。

カウンターに立つのは、『Maruta』の外山氏と、ゲストバーテンダーである世田谷代田『クォータールーム』の野村空人氏。2人のドリンクのプロフェッショナルが、アレンジを加えてさらなる「HIGHLAND PARK」の魅力を引き出します。12年ならソーダ割り、15年は水割り、18年はロック。そこに自家製の発酵飲料や『Maruta』の庭に茂るハーブを加えて、仕立てるさまざまな味わい。力強い味わいの「HIGHLAND PARK」にハーブの香りが加わって生み出される軽やかさ、奥深さ、まろやかさが、改めてウイスキーの無限の可能性を感じさせます。

合わせるのは石松シェフの真骨頂である薪火料理。薪火で炙った枝豆に、薪の香りをまとわせたクリームを合わせる一品。神経締めの鯛は香草たっぷりのリゾットとともに。焼き茄子とともに味わうスープ、経産牛の熟成感に薪火で香ばしさを加えたステーキ。薪火でカラメリゼした洋酒のケーキは『Maruta』のスペシャリテですが、今日は特別に「HIGHLAND PARK」を使用して香りをつけています。
薪火という原始的な調理法で仕立てられた野趣あふれる料理と、最北の蒸溜所で生まれたウイスキー。それらが響き合い、混ざり合い、「HIGHLAND PARK」と『Maruta』の料理それぞれに、さらなるポテンシャルを引き出させたのでしょう。

「料理人の使命は、常に新たなことに挑戦し続けること。今回もウイスキーを起点に料理を考案する、という未知への挑戦でした。スモーキーな『HIGHLAND PARK』と薪火料理の相性は想像以上。そのなかで料理とウイスキーそれぞれをどう記憶に残すかを心がけました」と振り返る石松シェフ。

「料理との共鳴、そしてハーブを加えた新たな飲み方。

時間の経過とともに、賑やかな雰囲気に包まれる会場。背後に薪火が燃えるその様子は、ヴァイキングの伝統である火祭りを彷彿とさせるよう。受け継がれる伝統を守りつつ、新たな挑戦も続ける「HIGHLAND PARK」と、革新を続ける『Maruta』。そんな両者の哲学が響き合い、未知なる魅力へと昇華された稀有なる夜でした。
●SHOP INFO
店名:Maruta
住:東京都調布市深大寺北1-20-1
TEL:042-444-3511
営:ランチ11:30~、ディナー17:30~
休:ランチ土曜・日曜・月曜、ディナー土曜・日曜のみ営業
https://www.maruta.green/