●熊本生まれ・新宿育ちの『桂花ラーメン』の一番人気「太肉麺」。この「太肉」を丸々一本乗せた「太肉一本盛」を思いっきり食べてみた!
昭和30年創業の熊本ラーメン店『桂花ラーメン』。
そんな『桂花ラーメン』の中でも一番人気のメニューが「太肉麺」。チャーシューの代わりに、食べ応えのある特製角煮「太肉」をメインに、生キャベツや茎ワカメなどを添えた絶品メニューです。

これがかなりヤミツキになる味で、この「太肉」は通常2カットほどが乗っています。しかし、「もっと食べたい!」と追加トッピングで「太肉」をさらに購入する人が一時期から増加。これを受けて『桂花ラーメン』では2020年より、カットする前の「太肉」を丸々一本乗せた「太肉一本盛」という男らしいメニューを追加しました。
まさに『桂花ラーメン』のフルスペックとも言うべきラーメンですが、その価格は2300円。消費カロリーも合わせて考えると、オーダーには勇気が要るメニューです。しかし、やはり遠慮なく「太肉」食べたい! 今回は思い切ってこの「太肉一本盛」を食べてみることにしました。
「新宿で朝ラー」にも最適な新宿ふぁんてんへ

向かった先は『桂花ラーメン』新宿ふぁんてん。新宿に4店舗ある店の中でも歌舞伎町に最も近い店で、朝4時から深夜1時までというありがたい営業時間。
「太肉一本」を贅沢にガブりつける至福の一杯

さっそく券売機で「太肉一本盛」をオーダー。その価格2300円、そして、あの「太肉」が丸々一本乗っていることで、どんな味わいになり、そしてどれだけ自分の体は太ってしまうのか……そんな複雑な思いを頭に浮かべていると、程なくして「太肉一本盛り」が着丼しました。

インパクトあるビジュアルですが、まずは「太肉」を持ち上げてみます。あのウマすぎる「太肉」がドーン。トロトロに煮込まれており、重量とのバランスでうまく箸で持てないほど。これはすごいボリューム! 通常の「太肉麺」では、大事に大事に食べる2カットの「太肉」をいただくのに対し、「太肉一本盛り」は豪快にいただくことができます。さっそくガブりつきながらいただくことにしました。

濃厚な「太肉」の味わいが口いっぱいに広がり、麺も生キャベツもどんどん進みます。ただでさえ美味しい『桂花ラーメン』の味わいが、さらに美味しく感じます。「太肉」を存分に楽しみながら、あっという間に完食。十分すぎるインパクトと「太肉一本」の肉肉しさを味わった一方、もたれる感じはなく意外とペロッと食べきれてしまいました。
食後に思ったことは、「生キャベツを追加すれば良かった」ということ。
当初はメニュー追加を躊躇したという「太肉一本盛」

後日、『桂花ラーメン』創業者の孫で、現在の運営元・桂花拉麺株式会社の常務取締役・小林史子さんに取材を申し込みました。すると、やはり「バランス」については相当なこだわりがあり、「太肉一本盛」考案に対しても当初は躊躇したところがあったと言います。
「実は創業時からの考え方では、『食事として適正な量』という視点から『度を超した量や内容は提供しない』という発想がありました。しかし、『太肉』好きのお客さまの中には、トッピングの『太肉』を別皿で3~5個追加される方がいらっしゃいました。そういう『太肉』ファンにとっては、通常の太肉の5~6個に相当する一本丸々をご提供したら絶対喜ばれる、という社員からの熱いリクエストを反映し、実現したのがこの『太肉一本盛』です。『太肉』は私たちとお客様を最も繋ぐものであること、それを大胆に提供しお客さまが心から喜んでいただけるなら、『きっと創業者も納得してくれるだろう』という思いに至り、このメニューが実現しました」
「長時間炊いた『太肉』ですので、余分な脂が落ち、味付けもシンプルなことから、かなりボリュームがあるように映りますが、『意外と軽く食べられる』といった声もいただきます。女性で完食される方もいらっしゃいますし、各店とも『太肉一本盛』を好まれてオーダーされる常連のお客さまもいらっしゃいます。『桂花ラーメン』の原点は『自分や家族に毎日作る食事のように、お客さまにも毎日のラーメンで元気になっていただきたい』という思いにあります。この原点を大切にしながら、今日もスープ、『太肉』ともお店の厨房で炊き上げてご提供しています。」(桂花拉麺・小林史子さん)
まとめ
小林史子さんのお話から『桂花ラーメン』のストイックな姿勢と、ニーズに合わせた柔軟な姿勢の両方を感じました。守るべきものと変わり続けることの「バランス」によって誕生したのが「太肉一本盛」のようです。
(取材・文◎松田義人)
●DATA

桂花ラーメン
https://keika-raumen.co.jp/