●立石のラーメン屋の中でも人気の高い『麺・粥 けんけん』の麺以外の名物「がっちゃん」と「中華粥」を食べに潜入してみた。
ラーメン屋にラーメンを食べに行くというのは当たり前のことですが、立石民や呑んべえたちは、他の食べ物を食べに行きます。
呑んべえもすすめるラーメン屋の「がっちゃん」とは?

葛飾区立石は北口地区の開発がはじまり、ついに立石のシンボル的存在の呑んべ横丁がなくなりました。開発で移転する店もありますが、高齢化で閉める店もあり、別れと出会いが繰り返されています。
今、京成立石駅を降りると工事の真っ最中。新しく住みやすい街に変わるのは良いことでも、以前の街を知るものには少しの寂しさと違和感を感じさせます。もう飲み屋の街ではなくなってしまうのか……?
しかし、魅力的な場所はまだ沢山残っており、南口は活気もそのままに住民の腹を満たし続けています。駅を出て、南口開発予定地区を通り抜け、線路沿いに四ツ木駅方面にいくと、『麺・粥 けんけん』が見えてきました。

「がっちゃん」を知ったのは、立ち飲み屋で飲んでいる時でした。カウンターでたまたま隣になった人に「けんけんはラーメンだけじゃないよ。がっちゃん知ってる? おいしいよ」と、すすめられたことがきっかけ。呑んべえのおすすめなら酒のつまみにピッタリでしょう。食べに行くしかありません。
メニューは麺類がメインですが、中華粥とのセットもあり、トッピングが豊富。メニュー裏面は、1品料理やアルコールメニューがあり、飲み客にも対応していることがわかります。

注文時、店員さんに何故「がっちゃん」なのか聞いてみたら、特に意味は無くモツのみそ炒めだからとのことです。味噌以外にも塩があり、さっぱりが好きな人は「塩がっちゃん」がおすすめだそう。壁に貼ってあるランキングには、みその「がっちゃん」が一品料理人気No.1だったので、注文してみました。

モツのみそ炒め「がっちゃん」がやってきました。アツアツのモツ炒めにねぎが沢山振りかけられています。

モツにねぎと練り唐辛子をのせていただきます。プリプリで歯応えがいいのですが、部位によって柔らかさが少し違ったりと印象が異なり、舌が楽しい。みそはこってりしすぎず、モツのコクと旨味に合います。また、ネギがシャキシャキで、練り唐辛子の辛さがじんわり舌に残り、その余韻を味わいたい気持ちとアルコールを欲する気持ちがせめぎ合います。
「がっちゃん」を食べてビールやチューハイを飲むという、ループをずっと繰り返したい中毒性の高さです。
ラーメン屋には珍しい名物料理「中華粥」も絶品だった!

店舗名に“麺・粥”とつくからには、粥も食べてみたくなりませんか。「中華粥」を頼んだら、肉ごぼうとしば漬けも付いてきました。粥だけかと思いきや、これは定食のようで嬉しいですね。

れんげで粥をすくうと干し貝柱がこれでもかと入っており驚きました。たっぷりとどんぶりに入れられた「中華粥」は、口当たりよく塩分も効いて、飲むように食べられます。粥は飲み物だったのでしょうか。

柴漬けを一緒に食べれば味変ができ、梅とシソの香りと歯ごたえの良さに食欲は衰えることを知りません。

粥の合間には、肉ごぼうも挟みましょう。生姜が効いた肉ごぼうももりもり食べられます。粥は、不調の時の食べ物と思っている人は、騙されたと思って食べて欲しいです。
まとめ

麺と粥、ラーメン屋にしては珍しい組み合わせに、「がっちゃん」という飲み屋街の立石ならではのモツ料理。がっちゃんで飲んだあとにラーメンを食べるという、飲みとシメを1店で満喫できる店です。
(撮影・文◎乃々)
●SHOP INFO
店名:麺・粥 けんけん
住:東京都葛飾区1-14-4
営:17:30~23:00
休:日曜