●アートとレトロが入り混じり、ユニークに進化を続ける群馬県前橋市。その中心的存在『白井屋ホテル』とは?
旅行の魅力「非日常感」。
最近宿泊した、前橋市にある話題の『白井屋ホテル』が、まさにおこもりステイにぴったりでした。これまで泊まったどのホテルとも全く違う、唯一無二の空間、芸術的な料理の数々。1泊2日の間、感動しっぱなしだったホテルステイの様子をご紹介させてください。
300年の歴史を持つ名旅館が息を吹き返す『白井屋ホテル』

明治時代に森鴎外や乃木希典など多くの著名人や芸術家に愛され、前橋で随一の旅館だった「白井屋」。2008年に300年の歴史に幕を引いた同旅館を6年半かけて大改修し、2020年、新たにオープンさせたのが『白井屋ホテル』です。
全体設計を手掛けたのは、大阪万博2025の会場デザインプロデューサーであり、日本を代表する建築家・藤本壮介氏。建物内には世界中の有名アーティストの作品が点在しており、開業当初から、建築やデザイン、アートが好きな人たちを中心に注目を集めています。
それでは、1泊2日、一流の芸術に浸る贅沢な時間を過ごしましょう。
チェックインをして館内を探検

『白井屋ホテル』は「ヘリテージタワー」と「グリーンタワー」の合わせて25室があり、洗練された居心地の良い部屋では、それぞれ異なった作家のアート作品を楽しむことができます。部屋が貸切のギャラリーとは、なんという贅沢でしょう。

世界的な現代美術家レアンドロ・エルリッヒ氏をはじめとした4人のクリエイターがデザインしたスペシャルルームも4室あるそうですよ。
少し部屋でゆっくりしたら、建築家・藤本壮介氏が手掛けた建築や内装、ホテル内のあちこちに飾られているアートを堪能しにいきましょう。

ホテル共有部には14ものアート作品が展示されており、それぞれをより楽しむための音声ガイドまで準備されています。最近は「アートホテル」が増えましたが、レベルが違います。もはやホテルというより、美術館。美術館に泊まる非日常体験をしているようです。

ホテル内外には椅子やテーブルがあちこちにあるので、座ってコーヒーでも飲みながらゆっくりアート鑑賞をするのも良いですね。サウナ好きなら、明るいうちからホテル自慢の貸切サウナを利用するのもおすすめ(予約制)。
そうこうしているうちに、あっという間に夕食の時間になりました。
全ての料理がサプライズ!食を通して群馬を知る究極のディナー

ホテルステイの楽しみといえば、食事ですよね。メインダイニング「the RESTAURANT」では群馬県の食材や食文化を取り入れた、フレンチベースの創作料理が次から次へと出てきます。

全10品のコース料理はどれも、それはもう美しくておいしくて、驚きと感動の連続! 先程まで芸術にどっぷり浸かりましたが、今は芸術を体の中に取り入れている気分です。最後には群馬名物「焼きまんじゅう」が予想外の姿で登場し、思わずクスリ(見てのお楽しみ)。

料理もさることながら、本当に楽しかったのがノンアルコールのペアリング。毎回見たことがない、そして味わったことがない飲み物が登場します。

『白井屋ホテル』が食にかなり力を入れていることは知っていましたが、ここまでとは。シェフたちの軽快なトークもあり、あっという間の至福の時間でした。女性ひとりでも気後れすることなく過ごせる、あたたかな空気感も良かったです。
夜は極上空間でのんびりリラックス

豊かな緑とアートに囲まれ、吹き抜けが気持ちが良い「the LOUNGE」。17時から宿泊者は無料で利用できるアートラウンジとなり、種類豊富なアルコール、ソフトドリンク、軽食が楽しめます。座り心地のいいソファーに身を委ね、今日ふれた芸術の数々を思い返す。なんと幸せな時間でしょう。
群馬尽くしの朝ごはんで、1日の最高のスタートを切る

群馬県の食材を使ったものを中心に、お皿いっぱいに料理が並んでいます。丁寧に作られた食材を、丁寧に料理し、私たちが丁寧にいただく。とっても良い朝です。体の中から活力が湧いてくるようです。
フルーツタルト専門店とパン屋さんでお買い物

チェックアウト前に、ホテル敷地内にある美味しいと評判のフルーツタルト専門店とベーカリーに寄りましょう。ベーカリーは地元の方と思しき人たちがひっきりなしに。買ったパンを翌日の朝ごはんに食べたところ、時間が経っているにも関わらず香り豊かで食感もよく驚きました。
五感が満たされる最高のホテル

360度アートに囲まれ、まるで芸術のような地産地消の料理と飲み物に舌鼓を打つ。1泊2日の贅沢すぎるおこもりステイを楽しめました。本当に夢のような空間と時間で、まだ余韻に浸っています。大人の旅にぜひ。
(撮影・文◎佐々木舞)
●SHOP INFO
『白井屋ホテル』
https://www.shiroiya.com/