●新宿にはハイレベルなカレー専門店が点在しています。今回ご紹介するのは、新宿駅西口から小滝橋どおりをまっすぐ大久保方面に向かって徒歩10分ほどの路地裏にある『スパイシーカリーハウス半月』です。
このお店、筆者の仕事仲間である通称“カレー博士”に教えてもらいました。この人は職業・カメラマン(53歳)で、常々、「60歳になったらカレーのお店を開く」と宣言しており、今は資金を貯めつつ、カレーの名店を食べ歩いて研究をしているカレーマニア。そんな“カレー博士”が最近食べたお店で、「すごく参考になった」と言うのが、この『スパイシーカリーハウス半月』なのです。
彼いわく、「ホールスパイスの利かせ方や、カレーの2種盛りの美しさとハーモニー、トッピングの“エビポテサラ”の味の意外性、プチプチしたもち麦ライスとカレーの相性の良さ、さらに価格のリーズナブルさも含めて、実に魅力的なカレーでした。そして何と言っても、西新宿の喧騒の中にありながら、このお店だけに漂うのんびりとした空気感。自分もこんなお店がつくれたらな、と思ったんです」とのこと。
カレーマニアにそこまで言わしめる、その『スパイスカレーハウス半月』とはいかなる店なのか。実際に行ってきたので、ご紹介していきましょう。
見目麗しい2種盛りカレーは衝撃の美味しさ
お店は新宿駅(JR・丸の内線・大江戸線)の新宿駅西口から小滝橋通りを大久保に向かい10分ほどの場所にあります。西武新宿線・新宿駅北口からは4分ほどなので、こちらからのアクセスが便利。ですが、路地裏にあってややわかりにくいので、表通りに看板が出ており、それを目印にするとよいでしょう。
お店の中はカウンター5席とテーブル2卓。
ライスはS、M、L、LLとあって、LLだけが有料(150円)で、あとは無料。カレーは1000円~です。というわけでカレー博士のおすすめ通り、「2種盛り」(チキンカレーと日替わりのダルキーマ)(1200円)を注文。ライスはM、トッピングメニューにあったエビポテサラ(200円)を加え、合計1400円です。
待つこと7~8分。2種盛りカレーが運ばれてきました。
縦に綺麗に整えられた黄色いライス、ちょこんと載ったオレンジ色のにんじんラペ、赤玉ネギのピクルス、葉野菜、こんもり山になったエビポテサラ、そしてカレーのナチュラルブラウン……。ビジュアルは美しいの一言。
まずは定番のチキンカレーからひと口。スープ状のカレーに、じっくり煮込まれた柔らかい鶏もも肉。カレー博士の言葉どおり、ホールスパイスと乾燥ハーブ(カスリメティ)の妖艶な香りとスパイシーな風味がビビッドに響く味わい。ほんのりトマトの酸味も効いています。ルーがシャバシャバしているので、かために炊かれたもち麦入りライスがよく合います。
続いて、日替りカレーの「ダルキーマ」は豆とチキンのひき肉のさらりとしたカレーです。まず感じるのは、ほっくりした豆の風味とコク、ひき肉の旨み、トマトの酸味。そこにクミンやクローブ、コリアンダー、カルダモンなどのスパイスの清涼感と芳香が重なって、優しくもエキゾチックな旨さ。
食べ進むうちに、中央部で土手のように2つのカレーを分断していたライスが決壊、チキンカレーとダルキーマが融合し、また新しい味わいがやってくる……。これがまた最高に美味しいです。
そして、トッピングのエビポテサラ。これがすごかった!
食べた瞬間、濃厚な海老の香りと旨味がガツンと響く衝撃的な美味しさなんです。ジャガイモのゴロッとした食感もちょうどよし。「こんな美味しいポテサラがたった200円なんて!」と大感動。思わずシェフにレシピを聞きたくなったほど。これはマスト・トッピングだと思います。
というわけで、『スパイシーカリーハウス半月』は、カレー博士に聞いた通り、めちゃくちゃ美味しいカレー店でした。お店のこぢんまり感も心地よい名店です。
(撮影・文◎土原亜子)
●SHOP INFO
スパイシーカリーハウス半月
住:東京都新宿区西新宿7-6-9 コンフォート・セゾン 1F
TEL:03-5937-2927
営:11:00~22:00 土日祝~16:00
休:不定休