●池袋から特急で約80分。近年観光地としての知名度が上昇中の埼玉県秩父地域。
観光地で地元のグルメ情報を検索する時、どうしても観光客が多く集まる店がヒットしがちですが筆者はついつい「地元の人が愛する店」を探してしまいがち。
秩父地域において絶対に外せないのは「ホルモン」ですが、お店が沢山ありすぎて一体どこへ行けば良いのやら。。
そんな中、ここなら間違いないと自信をもって地元民が推すのが『秩父ホルモン一番館』。創業1991年の超人気店です。
知られざる地元グルメの宝庫

中に入ると広い店内に座敷とテーブルが並んでいて元気の良いスタッフさんが迎えてくれます。アットホームな雰囲気。
メニューには豚のホルモンメニューを中心に牛肉メニューやサイドメニューまで並びます。ドリンクも豊富に揃っています。



ここは迷わずに生ビールを注文。今回は家族で行きましたがお酒の飲めない義妹をさりげなく誘い、送り迎えの足を確保することに成功しました。

テーブルには七輪が置かれ炭が煌々と燃えている。秩父地域ではほとんどのお店がこのような昔ながらの七輪スタイルとなっています。遠赤外線の熱さを感じる七輪を前に期待感が高まります。
常連も頼む「初めての秩父ホルモンセット」

メニューにある「初めての秩父ホルモンセット」は初心者向けかと思いきや常連の人も頼む定番メニューとなっています。たくさんあるホルモンメニューの中から9種類をちょっとずつ。お得に食べ比べができるメニューです。まずはこちらをオーダーで大正解!

お酒とお肉がテーブルに並び準備は万端!ホルモン劇場開幕します!筆者のオススメはまずはレバー。一般的にポピュラーなのって牛のレバーだと思いますが豚のレバーって食べたことあります?
数年前に初めてここで食べた時の感動は忘れられません。普段レバーが苦手だという人がハマっちゃう事案が秩父ではよく発生しています。新鮮な豚のレバーは臭みが全くありません。ハツ、カシラ、トントロと食べ応えある部位から生モツやタケノコなどマニアックな部位までひたすらに焼き、そして食べ、ビールが止まりません。




ダム建設から始まるホルモンヒストリー

「お店が出来た頃のホルモンといえば仕事帰りのお父さん達が食べてるイメージで、子連れファミリーは中々入り辛いお店ばっかりだったよね」
店主のアッコママこと本間明子さんが気さくに笑います。
秩父のホルモン焼きは昭和30年代頃のダム建設で関西のゼネコンが入り、やってきた関係者がお店を始め、しかも付近に新鮮なお肉が手に入る養豚場もあったことで文化が定着して今に至るんだとか。まさにホルモン焼きのガラパゴス!
秩父地域には今ではたくさんのホルモン屋があって、その数はコンビニより多いなんて言われていますが、老若男女ファミリーで気軽にホルモンを食べることのできるお店として、一番館は先駆者だったのでしょう。
座敷もテーブルもあって、牛肉のメニュー、サイドメニューも豊富で、ノンアルやソフトドリンクまで揃っている。こんな至れり尽くせりのお店はそう多くはないと思います。

「一番館はホルモン界のファミレスでありたいんだよね」
気軽に来れるファミレスのような店としてありたいとアッコママはそう言いますが、お肉のクオリティは間違いなしの専門店。
新鮮な豚のホルモンを丁寧に捌き、味の落ちる不要な部分を多めに取り、保存の仕方にも工夫をし、部位によって下味のタレや味付けも細かく変え、おいしく食べるためにあらゆることにこだわっているのだそう。
美味い!と一言で片づけるのがもったいないくらい。でも語彙力のない筆者は毎度素直に「美味い!」を連発するしかないのです。

週末は予約が必須かと思います。満席の状態でホルモンを楽しんでいるとだんだんと店内が白く煙っていく時があります。
けむい?それはご愛嬌。
焼き加減にも注意が必要です。火力の強い炭火焼はお肉をしっかり世話してあげる必要がある。七輪も空気の取入れ口が調整できるので、あまりせっかちに火力を上げ過ぎずにじっくり焼くのが良いでしょう。
忙しくない時間帯、運が良いとアッコママがおいしく焼けているかチェックしてくれて、ちょっとお話しながら焼いてくれたりすることがあります。これがまた良い時間だったりするんです。



お食事だけ、おひとり様、ファミリーでも仲間同士でも。入り口は広くて一度ハマれば抜け出せなくなる一番館のホルモン沼。沢山食べてもリーズナブルなお会計に心も体もポカポカしながら店を後にします。次またいつ来ようかな。
●SHOP INFO

秩父ホルモン一番館
住:埼玉県秩父市日野田町1丁目4-6
tel:0494-23-6027
営:平日16:00~21:00 土15:30~21:30 日祝15:30~21:00
休:月曜、第3火曜
●著者プロフィール
水野晋太郎
1979年生まれ岡山出身。
(編集◎ヨネダ商店)