●1200年の歴史を誇る桜の名所「平野神社」。お花見とともに楽しみたい、“ふんわり×もっちり”の絶品和菓子「うぶ餅」とは?

 歴史的な街並みや四季折々の自然を楽しめる京都。

特に春のお花見シーズンは世界中から大勢の観光客が集まります。

京都の春はここで決まり! 人気の桜スポット「平野神社」と老舗の和菓子をめぐる旅

 数ある桜の名所の中でも特に人気なのが、京都市北区にある「平野神社」。今回はその見どころと、合わせて訪れたい老舗の和菓子屋をご紹介しましょう。

13日までは桜のライトアップも!桜の名所「平野神社」の見どころ

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古い歴史を持つ格式高い神社

 794年に奈良から現在の地に移され、1200年以上の歴史を誇る平野神社。桜の名所として知られており、早咲きから遅咲きまで約60種400本の桜が植えられています。平安時代に花山天皇が桜を植えたことにはじまり、古くから“桜の社”として親しまれてきました。神門手前に植えられている「魁(さきがけ)桜」は平野神社発祥の早咲きの品種で、この桜が咲くと京都のお花見シーズンがはじまるといわれています。

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3月24日に開花が発表された魁桜

 4月下旬まで次々に異なる品種の桜が咲き誇り、長く楽しめるのも魅力のひとつ。2025年3月22日(土)~4月13日(日)の日没から21:00にはライトアップが行われ、幻想的な雰囲気に包まれます。また、毎年4月10日に行われる「桜花祭」では、平安時代の装束を身にまとった約200名の人々が神社の周辺地域を練り歩きます。

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「開運さくら湯」300円

 4月13日まで境内にはお茶席が設けられ、桜の塩漬けを湯に浮かべた「開運さくら湯」やお茶菓子がいただけます。きれいな桜を眺めながら、甘い香りと塩気が効いたさくら湯を味わう時間はただただ至福。全身で春を感じられます。

御神木とすえひろがねでパワーチャージ

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御神木を手で触れながら反時計周りをすると、厄除けのご利益があるそう

 平野神社の御神木は、樹齢約400年と伝わる立派なクスノキ。幹まわり4.85mの堂々とした姿は、見るだけでも神聖な空気を感じられます。

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重さ約200kg、厚さ約27㎝

 御神木の前には「すえひろがね」と呼ばれる不思議な石が置かれています。これは日本最大級の「餅鉄(べいてつ)」で、鉄分を多く含むため磁石がくっつく性質を持っているそう。専用のお守り「すえひろがり守」を石にくっつけることで、パワーを授かれると伝えられています。

創業88年の和菓子屋『京菓子司 笹屋守栄』でおみやげも

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平野神社から徒歩6分

 お花見を楽しんだあとは、美味しい和菓子を求めて昭和12年創業の『京菓子司 笹屋守栄(ささやもりえ)』へ。同店と平野神社は深い関わりがあり、境内の桜を使って作った桜羊羹「平野の桜」はお茶席でも提供されています。

 店内には、厳選した食材を使った季節を感じる京菓子がずらり。周辺にある「金閣寺」や「わら天神宮」といった名所に由来した菓子も並んでいました。

手土産にぴったり! 名物の「うぶ餅」

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1個160円

 今回購入したのは、創業当時から販売されている名物の「うぶ餅」。赤ちゃんのほっぺたのようにやわらかい求肥に、自家製こし餡と甘納豆をまぜてきな粉をまぶしたものです。包装紙や化粧箱には堂本印象画伯、三輪晃久画伯といった、京都を代表する日本画家の作品が描かれています。

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第25回全国菓子大博覧会・兵庫 金賞受賞

 材料や製法にこだわっていて、甘納豆には京都丹波産の大納言小豆を使用。5日間かけて丁寧に炊き上げ、蜜漬けしています。きな粉は国産大豆をじっくり炒って自家製粉。

砂糖を一切使っていないため、大豆本来の甘さと香りが引き立ちます。

 一口食べると、もっちりとやわらかい求肥となめらかなこし餡、ホクホクした甘納豆、香ばしいきな粉の風味が広がります。しっかりとした甘さで濃いめの日本茶と相性抜群でした。

京都の桜と和菓子巡り

 美しい桜に癒されて、御神木と餅鉄で運気をアップ。やわらかく甘いうぶ餅を食べれば、心も体も満たされます。五感で春を楽しむ旅に出かけてみませんか?

(撮影・文◎安達春香)

●SHOP INFO
京菓子司 笹屋守栄

住:京都府 京都市北区衣笠天神森町38
TEL:075-463-0338
営:9:00~17:30
休:水曜日/第二・第四の火曜日、水曜日は連休(行事等により変更になる場合があります)
https://sasayamorie.com/about

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