●なんと台湾名物「鉄道弁当」を週イチで提供する店が大宮に!? その味を噛み締めれば、まさしく「ザ・台湾」だった!
相変わらず冷めやらぬ台湾ブーム。これに伴って各地では台湾料理店の出店が相次いでいます。
そんなこだわりの台湾料理店の一つが、埼玉・大宮にある『台湾茶房e~one』。地域密着型の単独店舗でありながら、コアな台湾ファンが多く訪れる店としても知られています。

『台湾茶房e~one』の人気の理由は、他の台湾料理店ではなかなかない「ザ・台湾」なメニュー展開と本物の味にあるようで、なんと週イチで台湾名物の「台湾鉄道弁当」をランチで提供するという徹底ぶり。
台湾鉄道弁当とは何か?
「台湾鉄道弁当」をご存じない方に、簡単にその概要を紹介しておきます。
今から80年以上前、台湾は50年間に及んだ日本統治時代を経験しました。この間、日本が台湾のインフラの多くを開設し、教育や経済の礎をも作り上げたとされています。
台湾全土に及ぶ鉄道を張り巡らせたのもまた当時の日本で、この鉄道は「台湾鉄道(台湾鉄路)」の名で在来線として今日も現役です。この「台湾鉄道」では日本統治時代からいわゆる「駅弁」を販売していて、このスタイルもまた今日まで継承され続けており、“台湾料理のいちジャンル”として捉える人さえいるほど。

他方、この「台湾鉄道弁当」、今日の日本ではデパートの台湾フェアなどで一部出店がある以外、そうそうお目にかかれる機会がありません。なぜなら、相当な手間・コストがかかるだろうからだと筆者個人的には見ています。
そんな中、週イチ限定ではあるものの「台湾鉄道弁当」をレギュラー提供している『台湾茶房e~one』は台湾ファンにとって確かにありがたい存在。
というわけで台湾ファンの筆者も、『台湾茶房e~one』の味を確かめに大宮まで行ってみることにしました。
大宮・氷川神社参道の一角にある隠れ家的な台湾料理専門店

大宮駅を下車し、駅周辺の繁華街を通って東側の氷川神社参道方面を目指します。5分ほど歩くと、穏やかで静かな住宅街へと街並みが大きく変わるわけですが、その氷川神社参道沿いの一角に『台湾茶房e~one』があります。

お店の佇まいは隠れ家的でオシャレな雰囲気です。台湾人の奥さんと日本人のご主人によるお店とのこと。ここで台湾に通い続けるファンをも唸らせる「ザ・台湾」な本物のメニューが複数ラインナップされているのです。
特にランチは曜日ごとに異なるメニューがあり、毎日通っても飽きないと地元では評判のよう。筆者は冒頭で触れた「台湾鉄道弁当」をいただきに、指定日の金曜日の昼に訪れました。

特にランチは曜日ごとに異なるメニューがあり、毎日通っても飽きないと地元では評判のよう。筆者は指定日の金曜日の昼に訪れました。オーダーしたのは、もちろん「台湾鉄道弁当(台湾鉄道排骨弁当)」です。
「台湾鉄道弁当」の中でも特にポピュラーな「排骨弁当」のお味は…!?

程なくして運ばれてきた「台湾鉄道弁当(台湾鉄道排骨弁当)」は、本物の「阿里山森林鉄道」の弁当箱を使用したもの。まずこれにびっくりしました。
この弁当箱を開けると、まばゆいほどに綺麗に揚げられた排骨(豚のスペアリブ)がドーンとのっています。実は「台湾鉄道弁当」の中でも、この排骨のせは最もポピュラーなメニューです。

台湾では他に、鶏肉のフライを乗せたもの、豚の角煮などをのせたものなどもありますが、やはり「台湾鉄道弁当」と聞いてイメージするのは、この排骨。

ポピュラーな排骨をメインにした弁当にしたということは、ある意味ハードルを上げていることにほかなりませんが……これ、結論から言うと、台湾で食べる「台湾鉄道弁当」とまったく同じ味わいでした!

独特の香辛料をほのかにまとい、カリッと香ばしく揚げられた豚肉はやけにクセになる味わい。添えられた煮卵、野菜類との相性抜群なのはもちろんのこと、おかず類の下に敷かれたご飯がまた旨いのなんの。

また、このご飯もまた最高で、台湾のブランド米「池上米」にもよく似たもっちりした風合いとほのか甘みがあります。日本にいながらにして「台湾鉄道弁当」の“あの味”をいただける日が来るとは……。
台湾の名店で修業するなどこだわりがスゴい

前述の通り、この『台湾茶房e~one』は台湾人の奥さんと日本人のご主人によるお店。
日本各地にある台湾料理店では「台湾人の私が作るんだから、これが台湾料理!」と、定番からかなりのアレンジが加えられたお店も意外と多いですが、『台湾茶房e~one』の奥さんは、台湾人であることにおごらず、メニュー考案の際には必ず台湾に帰国。
自身の舌で確かめた「これこそが台湾料理だ」というお店をまず探すのだと言います。そして、そういったお店に直談判し、一定期間修業させてもらい、お墨付きをもらった味だけを『台湾茶房e~one』でメニューにラインナップするそう。
また、そんな中でもやはり「台湾鉄道弁当」には強い思い入れがあるようで、デパートの催事などでの出店の際は、台湾現地の「台湾鉄道弁当」の名ブランドとコラボした特別弁当を展開したこともあると言います。
なるほど。これだけの徹底したこだわりと調理技術があるからこそ、本物の「ザ・台湾」な味わいが完成できるわけですね。
(取材・文◎松田義人(deco))
●SHOP INFO

台湾茶房e~one
住:埼玉県さいたま市大宮区東町1-121-2
電:048-871-8161
営:11:00~15:00、18:00~21:00
日曜11:00~15:00
休:月曜