●秩父三社のひとつ、寶登山神社(ほどさんじんじゃ)へお詣りし、山頂の奥宮を目指す。絶品のかき氷を
埼玉の観光スポットのひとつに秩父があります。
風情たっぷりの長瀞駅からスタート

長瀞は、池袋からは西武池袋線と秩父鉄道に乗り2時間弱、熊谷からは秩父鉄道で50分弱。都心からは日帰りで行ける場所にあります。レトロな駅舎はフォトジェニック。駅や線路周辺では運が良ければ、石灰石の採掘がある秩父ならではの石灰石輸送列車や、SLパレオエクスプレスも見られるかもしれません。
今回は、長瀞駅から三峯神社や秩父神社と並ぶ、秩父三社のひとつである「寶登山神社」へと向かいました。
まずは宝登山麓にある寶登山神社の本殿にお詣り

寶登山神社は、火災盗難除けから交通安全、商売繁盛、金運招福のご利益があると言われています。
昔々、山中で山火事にあい、山犬に救われたことから山の神と火の神を祀り、「火を止める山」として「火止山(ほどさん)」になりました。山犬は、オオカミの神様・大口真神(おおくちのまかみ)のお使いだったそうな。本殿へ詣でたら、奥宮へも行ってみたくなりませんか? 奥宮は宝登山の山頂にあるので、さっそく登っていきましょう!
初心者にもおすすめ! 奥宮を目指し宝登山を登ってみよう

長瀞駅から登山道へ入ると、くねくねとした砂利道を1時間ほど登っていきます。平坦な歩きやすい道。スギやヒノキの人工林に加えて、コナラとクヌギの林が楽しめますよ。夏は木々の緑が夏の強い日差しに透けて美しい季節です。
一方で、虫もいますし、夏の低山は暑さが険しいため、夏場は虫や熱中症対策を念入りにして登ってくださいね。
汗をかきつつ、奥宮へ詣でて絶景を楽しむ

汗を拭き拭き登りきると、ロープウェイ乗り場や蝋梅(ろうばい)園の先に奥宮があります。神域だからか緑に囲まれているからか、空気が澄んで涼しい場所。浄化された気持ちになりました。

奥宮で注目して欲しいポイントのひとつが、狛犬がオオカミだということ。スラリとした体躯でかっこいい姿にほれぼれします。秩父はその昔、オオカミが生息していた地で信仰の対象でもありました。

また山頂付近からは、秩父の町並みと遠くの武甲山や他の山々を見渡せます。天気が良いと、石灰の採掘で削られつつも堂々とした武甲山の姿がくっきり。絶景を見るだけで登った甲斐があります。
7月7日以降は山頂付近のテラスも使用できますが、まだこの時は絶賛工事中でした。

1月の半ばから3月にかけて、山頂周辺の蝋梅(ろうばい)園では、黄色い花が楽しめます。蝋梅の季節に山頂に辿り着くと、上品な蝋梅の香りが漂い、辺り一面に黄色の花が咲き乱れ見事。
行列でも食べる価値あり!下山後は『阿左美冷蔵』の絶品かき氷でひんやり

灼熱の夏山を歩ききったら、歩いたご褒美に身体を冷やしてくれるかき氷はいかが? 超人気店『阿左美冷蔵(あさみれいぞう) 寶登山道店』へ。オープン時刻に行ったら待たずに入れました。

山の中で作られた天然氷を使っているのが特徴です。頼んだのは「秘伝みつ極みスペシャル 粒あん・白あん・抹茶あん」。店員さんに白玉をおすすめされてトッピングしました。

氷を引き立てるほのかな甘さのみつをかけていただきます。一見荒めの削りなのに、口どけやわらか。もちもちの白玉に粒々のあん、まったりな白あん、風味豊かな抹茶あんを合わせつつ食べていきます。身体が芯から涼しくなっていきました。口が甘くなったら一粒置かれた梅でリセット。大きく見えたかき氷の山が綺麗さっぱりなくなりました。

お土産には、宝登山麓の伏流水と黒みつで作られた「阿左美冷蔵の水羊羹」があります。
●SHOP INFO
阿左美冷蔵 寶登山道店
住:埼玉県秩父郡長瀞町大字長瀞781-4
営:10:00~17:00頃
休:火曜
秩父で菓子を買うなら『秩父菓子処 栗助』へ

配り用の菓子が欲しいなら『秩父菓子処 栗助』がもってこい。長瀞駅すぐのところに店舗があり、秩父産の材料と栗を使ったお菓子が多く並びます。
店内で人気No.1のポップが目立っていた「栗助」は店と同じ名前。ミルクあんで栗の甘露煮を丸々1個包んでいます。あんと栗のハーモニーでお茶がすすみます。

秩父のご当地キャラの「ポテくまくんサブレ」、秩父産カエデ糖を使ったモンドセレクション3年連続受賞のクッキー「すのうぼうる」、名物の「すまじゅう」や「みそまんじゅう」と品揃えも豊富です。
●SHOP INFO
秩父菓子処 栗助 長瀞店
住:埼玉県秩父郡長瀞町長瀞529
営:10:00~17:00
休:木曜
長瀞で夏の秩父を満喫しよう

山とグルメを堪能しましたが、名勝として有名な長瀞石畳と言われる荒川沿いをさんぽしたり、ライン下りやラフティングもあわせておすすめです。
めいっぱい自然を満喫できる長瀞で緑に癒される1日を過ごせます。暑さが苦手な人は、秋から春にぜひ訪れてみてください。
(撮影・文◎乃々)