●東京の立ち食い蕎麦屋を食べ歩く“立ち蕎麦マニア”が絶賛する『うどん そば加賀』。その魅力をご紹介します。
最近、都内で超人気の町中華に並んでいる時に、同じく行列していた2人の男性と知り合いました。この2人、同じ会社に勤める営業マンだったのですが、ちょっと話してみると、ここ10年ほど営業活動の合間に実行しているという「食べ歩き活動」が尋常ではなく濃密でした。
先輩・大西タケルさん(仮名・42歳)と後輩の山根リョウさん(仮名・35歳)。いつも2人で東京都内や千葉、埼玉まで社用車で営業に励んでいるそうなのですが、「今日はあれにしよう、これにしよう」と車中でランチに向けたミーティングを行うのが日課だそう。特に多いのが立ち食い蕎麦屋めぐり。
「駐車時間を考えると、どうしても早くて安い立ち蕎麦になります。でもいろんな場所で立ち蕎麦をで食べることで、美味しい店はだいたい絞られてきました」とタケルさん。
そんな彼らに今、一番好きな立ち蕎麦屋を聞いてみたところ、「初台の『うどん そば加賀』です!」と間髪入れずに答えてくれました。

2人にそれぞれ理由を聞いてみると、「大前提として、蕎麦もつゆも文句なしのおいしさ」とリョウさん。「そして、とにかく“かき揚げ”がめちゃくちゃ旨い」とタケルさん。2人が揃いも揃って激推しするので、その『加賀』に実際に行ってみることにしました。
大きくてサックサクのかき揚げ

『うどん そば加賀』は、初台駅の新国立劇場方面出口を出たら目の前にありました。
到着したのはお昼前でしたが、美味しいことを知っている人たちで早くも行列ができ始めています。数えてみると筆者は11番目。とはいえ立ち食いなので回転は早いだろうと高をくくっていたら、これが思ったより時間がかかり、入店できたのは約20分後のことでした。
さて、店内は立ち食いなので、カウンターのみ。一度に8人が食べられる空間になっています。そしてお客さんが食べているものを見てみると、ほぼすべての人が「かき揚げそば」です。あの営業マンコンビの言う通り。
その店内はその天ぷらを揚げる油とダシ&つゆの匂いが充満しているのですが、もうこれだけで、ここのかき揚げそばは絶対ウマいだろう、と確信できてしまうくらい、良い香りなんです。
店には「注文が入ってからかき揚げを用意するので少々時間がかかる」との表示がありました。これをほとんどの人が注文するので、待ち時間も長かったわけですね。
さっそく筆者も「かき揚げそば」(650円)を注文。厨房では、揚げ物担当と、そばゆで担当の2人が忙しく立ち働いています。
そして筆者の前に登場した「かき揚げそば」がこちら。

揚げたてのかき揚げが熱々のかけそばの上にど~んとのっています。そのかき揚げがびっくりするほど分厚い!
かき揚げに割り箸を入れると、サックサク。口に入れたらカッリカリ。衣が薄く、油のキレもよくて、タマネギの甘味が口の中でふわっと広がります。なんという美味しさ……!
続いて、肝心のそばをひと口。生そばを茹でたばかりなので、香りも食感も最高。おつゆもダシがしっかり効いていて、文句のつけようがありません。まさに、完璧なかき揚げそばと言っていいでしょう。これが、たったの650円なんて信じられないくらい!
食べ進めるうちに、かき揚げがおつゆに浸かっていきますが、なぜかフニャッとなりにくい! おそらくかき揚げの衣の量が少ないせいかもしれません。

正直、あまりの美味しさにこの絶品がたった650円なのか……と感動してしまいました。
というわけで、初台の新国立劇場に行った際には、ぜひ『加賀』で「かき揚げそば」食べてみてください。感動必至ですよ。
(撮影・文◎土原亜子)
●SHOP INFO

うどん そば加賀
住:東京都渋谷区本町1丁目2-3
営:7:00~19:00(土10:00~16:00)
休:日
※現金のみ