●腸活メニューとしても注目される、日本の家庭料理「味噌汁」。味の決め手となるものの、意外と知らない「だし」の取り方のコツを、プロの料理家が伝授します。
白いごはんとともに、日本の食卓に欠かせない「味噌汁」。ごはんと相性抜群なだけでなく、味噌の優れた栄養素や、具だくさんな一杯は「一汁一菜」の一品としても注目されていますよね。
そんな健康面でも毎日の習慣にしたい「味噌汁」をおいしく味わう決め手は「だし」。みそ汁だけでなく、だしは日本食のうま味を引き立てる要です。そのためにも大切なのが「だし」の取り方。一度は挑戦してみたいと思っている人も多いのでは?
そこで、様々な料理に使える「合わせだし」(一番出汁と二番だし)の取り方を、料理のプロに教えてもらいます。コツを覚えれば初めてでもおいしいだしが取れますよ!
「一番だし」と「二番だし」でどう違う? それぞれの「合わせだし」の取り方
「一番だしは雑味がない上品な味と芳醇な香り。二番だしの香りはやや弱くなりますが、しっかりとした味わいになります」と教えてくれるのは、フードクリエイターユニット「東京ソロごはん。」。味噌汁におすすめなのは二番だしで、煮物などの濃い味付けをする料理に合うのだそう。一番だしは、お吸い物や茶わん蒸しなど素材を活かす料理と相性がいいとのこと。
6つの「おいしいだし作り」ポイント

1.昆布の汚れをふき取る:白い粉はうま味成分なのでそのままに。
2.浸けおきは30分~1晩:長時間になりそうなら冷蔵庫へ。
3.煮出しは弱火でじっくり:昆布の雑味が出る前(60度)に引き上げること。
4.花かつおを加えたら触らない:雑味が出ないよう自然に沈むのを待ちましょう。
5.ざるを通してこす:かつお節のえぐみが出ないよう絞らずに。
6.二番だしの材料は水から火にかける:残った旨みを引き出すイメージで。
では、昆布と花かつおを使った旨みの強い「合わせだし」の取り方を、一番だし、二番だしに分けてご紹介します。

◎材料
〈一番だし〉※出来上がり700ml程度、冷蔵で3日間保存可能
・水……1L
・昆布……10g
・花かつお……25g
〈二番だし〉※出来上がり350ml程度
・一番だしの残りの昆布と花かつお
・花かつお……10g
・水……500ml
◎一番だしの作り方
1.昆布の表面を乾いた布巾やペーパーで拭く
<point>表面に砂やほこりなどのよごれがついている場合があります。白い粉は旨み成分なのでふき取らなくて良し!

2.水に昆布を30分~1晩、浸ける
<point>夏場は30分、冬場は1時間半。長時間おく場合は冷蔵庫にいれましょう

3.鍋に 2を入れて弱火にかけ、昆布のふちに小さな泡がつく程度(60度)で昆布を引き上げる
<point>弱火でじっくり旨みを引き出そう。80度以上になると昆布のぬめりや臭み、雑味が出るので要注意!

4.中火にして小さな泡ができてきたら(85度)火を止め、花かつおを加え、2分おく
<point>鰹節に含まれる旨み成分が最もよく溶けだす温度。雑味が出るので、菜箸でかつお節を沈めたりせず、自然に沈むのを待ちましょう

5.キッチンペーパーを敷いたざるで 4をこす
<point>かつお節のえぐみが出てしまうので絞らないのが大事。

◎二番だしの作り方
1.鍋に一番だしの残りの昆布と花かつおと水を入れ中火にかけ、煮立ったら弱火にして5分加熱し火を止める
<point>だし材料に残っている旨みを煮ながら引き出そう

2.さらに花かつおを加え、2分おく

3.キッチンペーパーを敷いたざるで 2をこす
「豆腐の味噌汁」レシピ
おいしいだしの取り方を覚えたら、次はシンプルなおいしさが味わえる「味噌汁」を好みのだしで作ってみましょう。

◎材料(1人分)
・絹ごし豆腐……1/8丁
・長葱……1/8本
・だし……200ml
・味噌……大さじ1
◎作り方
1.豆腐は1cm角に切る。長ねぎは小口切りにする
2.鍋にだしを入れて中火にかけ、煮立ったら 1を加える。再び煮立ったら火を止めて、味噌を溶き混ぜる
3.器に盛る
丁寧に取っただしに味噌を加えれば、最高の一杯が出来上がります。ほかにも、煮物や茶わん蒸しなど幅広く使えるので、ぜひ挑戦してみてくださいね。
(撮影・レシピ監修◎東京ソロごはん。