●京都の老舗和菓子屋『今西軒』が作る、こだわりのおはぎ。観光客のみならず、地元民から根強く愛される理由を探ります。

 観光客で溢れる京都の中心部に、地元の人々に長く愛されている和菓子屋があります。その名は『今西軒』。京都には和菓子の名店が数多くありますが、おはぎと言えば、まず名があがるのがこのお店。過去には『魔法のレストラン』や『マツコの知らない世界』など、何度もメディアに取り上げられています。

 お昼頃に何度か前を通ったことがあるのですが、いつも「完売」の表示。調べると、朝から行列ができ、1~2時間で売り切れることもあるとのこと。開店前に並ぶ覚悟を決め、訪問してみました。

『今西軒』ってどんなところ?

 京都市営地下鉄 烏丸線「五条」駅より徒歩1分。大通りから少し入ったところに、風情ある京町屋の建物がひっそりと佇んでいます。

【京都】開店前から行列、1時間で完売!? 明治創業の老舗和菓子屋『今西軒』の名物おはぎ
歴史を語る、情緒溢れる店構え

 創業1897年(明治30年)。もともとはお餅を中心とした様々な和菓子を作っていましたが、一度閉店し、4代目の手によって「おはぎ専門店」として再興されたそうです。この日は猛暑だったからか、噂に聞いていたよりは人は少なく、それでも開店時点で10人ほどが並んでいました。

 店頭に並ぶのは「つぶあん」「こしあん」「きなこ」。

3種類を2つずつ購入しました。

【京都】開店前から行列、1時間で完売!? 明治創業の老舗和菓子屋『今西軒』の名物おはぎ
おはぎ「つぶあん」、「こしあん」、「きなこ」各240円 [syokuraku]

名物「おはぎ」、噂に違わず絶品でした!

 急ぎ足で帰宅し、お皿に出してみました。ころんとまるく、均整のとれた美しいフォルムが職人技を思わせます。

【京都】開店前から行列、1時間で完売!? 明治創業の老舗和菓子屋『今西軒』の名物おはぎ
見た目から美しい、3種類のおはぎ

 半分に切ってみると、想像以上にあんこの割合が多く、その艶やかさときめ細かさに目を奪われます。もち米はぎっしり、もっちり、ねっちり。ごはん粒の形が残る程度に潰す「半殺し」という製法が使われているそうです。

【京都】開店前から行列、1時間で完売!? 明治創業の老舗和菓子屋『今西軒』の名物おはぎ
たっぷりのあんこと「半殺し」のもち米、食欲をそそる断面

 こしあんは驚くほどしっとりなめらかで、口の中で溶けるよう。つぶあんは食感が楽しく、こちらもまた絶品。一番人気のきなこは香りが高く、黒胡麻が入っているからか、素朴ながら滋味深い味わいです。

 あんこに使われる小豆は北海道産。水飴を使用せず、昔ながらのかまど「おくどさん」で2,3日かけてじっくり作られるそう。3種類とも上品な甘さで、じっくり味わって食べようと思っていたのに、いつの間にかお皿から消えていました。(2つずつ買っておいて本当に良かった……)

お取り寄せ可能。
幸せの味「あんてぃーく」も人気

 事前予約必須ですが、ゆで小豆を瓶詰めにした「あんてぃーく」も人気が高いそう。実際に購入し頂いてみましたが、優しい甘さでさらっとした口当たり。薄くバターを塗ったトーストを用意すると、思わず笑みがこぼれる幸せな朝ごはんができました。

 こちらは全国発送可能なので、気になった方はお取り寄せしてみてくださいね。

【京都】開店前から行列、1時間で完売!? 明治創業の老舗和菓子屋『今西軒』の名物おはぎ
ゆであずき「あんてぃーく」1,100円 ※要冷蔵で賞味期限は1週間

 朝から並ぶ価値のあるお店ではありますが、並ぶことが難しい場合、数量限定で事前予約も可能です。さらに、京都高島屋「銘菓百選」でも取り扱いがあります(金・土・日限定/数量限定)。

 古くから愛されるのが納得の逸品。京都にお越しの際は、ぜひご賞味ください。

(撮影・文◎あゆまろ)

●SHOP INFO
今西軒

住:京都府京都市下京区烏丸五条西入ル一筋目下ル横諏訪町312
TEL:075-351-5825
営:9:30~売り切れまで(お彼岸・お盆は8:00~)
休:火曜、第1・3・5月曜 ※6~8月は月・火定休、お彼岸・お盆は営業

●著者プロフィール

【京都】開店前から行列、1時間で完売!? 明治創業の老舗和菓子屋『今西軒』の名物おはぎ

あゆまろ

3級フードアナリスト。地方創生食文化大使。
福岡県久留米市出身、大学進学とともに京都へ移住。卒業後は大阪にてIT職→食品メーカーで商品開発に従事。

出産を機に再び京都へ。
京都のほっこりあたたかい雰囲気と、美味しいものが大好き。京都グルメを中心に発信中。
@ ayumaro_kyoto

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