●東京にある地方のアンテナショップをめぐり、そこで買える絶品「和菓子」を探してきました。今回は鳥取県と岡山県の名産品が集まる新橋の『とっとり・おかやま新橋館』をご紹介!
東京・JR新橋駅から徒歩2分ほどの場所にある『とっとり・おかやま新橋館』は、鳥取県と岡山県のグルメや雑貨を集めた共同アンテナショップです。

店内には鳥取県や岡山県で収穫された農産物や定番の食品、お酒などが豊富に並んでいます。どちらの県もさまざまな食品ブランドが誕生しており、季節によっては店内にフルーツが並ぶことも。
そんな「とっとり・おかやま新橋館」で見つけた和菓子をご紹介します。
鳥取県の和菓子たち

鳥取県といえば、「梨」が全国有数の産地として知られているほか、鳥取のローカル企業である大山乳業の「白バラ牛乳」なども、最近は東京でも見かけるようになりました。
今回は、そんな鳥取県の特産物を使用したユニークな和菓子をご紹介しましょう。
宝製菓「大風呂敷」

繁栄と長寿を意味する緑の唐草模様で縁起の良さを表現した「大風呂敷」は、鳥取県の特産物「梨」を使用した和菓子です。

風呂敷包みを開けてみると、鳥取県産のもち米を使って練り上げたお餅に、たっぷりきな粉がまぶされ、ビジュアルは山梨県の銘菓「信玄餅」のよう。
しかし、似ているのは見た目だけで、味はまったく違います。お餅の甘みを引き立てる隠し味として地元の味噌を練り込み、鳥取特産の「二十世紀梨」を使用した特製の「梨みつ」を合わせるなど、実にユニークなきな粉餅なのです。

ほんのりとした酸味と甘味、そして柔らかな梨の風味が香ばしいきな粉餅とマッチ。意外な組み合わせでしたが、鳥取県を感じてもらうお土産として人気が高まっているそうです。
倉吉舎「梨ふわどら」

白壁土蔵群で知られる鳥取県倉吉市に本店を構える創業30余年の菓子舗『倉吉舎』。バリエーション豊富な和洋菓子を販売する、地元で愛され続けるお菓子屋さんです。

アンテナショップでは、鳥取の初秋の味覚「二十世紀梨」をたっぷり使ったふわふわのどら焼き「梨ふわどら」を販売。
シャリシャリッとした梨のフィリングと、梨風味のふわふわ生地がマッチ。
亀甲や「二十世紀」

鳥取市随一の老舗『亀甲や』が販売するお菓子が、「二十世紀」。箱だけ見ても、いったい何なのかよくわかりません。そして箱を開けても実態がよくわかりません(笑)
「二十世紀」は、二十世紀梨のようなみずみずしさを表現した水飴ベースの寒天ゼリーを輪切りにし、芯の形を打ち抜いたお菓子です……と、いくら言葉で説明してもよくわからないと思うので、画像をご覧ください。

実はこのお菓子、「二十世紀」という名前ですが、梨の果汁は入っておらず、シンプルに水あめや砂糖、寒梅粉、寒天のみで作られています。
その昔、栽培が難しかった二十世紀梨を全国に知ってほしいと『亀甲や』の店主が考案したお菓子なのだそう。

断面は濁りがなくクリア。梨のようにシズル感があって見た目もキレイです。琥珀糖や美鈴飴のような食感と味わい。緑茶もいいですが、紅茶とも相性が良さそう。
大山乳業「白バラ牛乳かりんとう」

鳥取県のローカル牛乳「白バラ」。最近は、東京のスーパーやコンビニでも白バラの牛乳やアイスクリームなどを見かけるようになりました。
そしてこちらのアンテナショップでも、牛乳はもちろん、白バラロールケーキや飴、饅頭などが販売されています。

中でも一番気になったのが「白バラ牛乳かりんとう」。
岡山県の和菓子

さて、お次は岡山県の和菓子をご紹介していきましょう。岡山県がフルーツ王国だからなのか、洋菓子の方が豊富でしたが、和菓子もちゃんとありますよ。
鈴木屋「どらせん」

創業100余年の老舗『鈴木屋』は、岡山市にある老舗の煎餅屋さんです。小麦粉と卵、砂糖でシンプルに焼き上げる素朴な煎餅は、岡山の定番みやげの一つとして人気を博しています。
とりわけ、「どらせん」は、卵をたっぷり使用した小麦煎餅に、厳選された餡をサンドしたお菓子。どら焼きのような、しっとりとしたお煎餅です。

ちなみに、中のあんこは2種類から選べます。
1つめは「作州黒餡」。小麦煎餅に、岡山県特産の大粒黒豆「作州黒」を炊いてつくった黒豆あんをサンド。黒豆の風味が口に広がります。
2つめは「瀬戸の塩餡」。
どちらもコーヒー、紅茶、緑茶などとも相性バツグン。他にも「北海小豆栗入り」や「柚子餡」などもありますのでぜひ味わってみてくださいね。
里山工房和菓子たむら「たむらのみかさ」

岡山県井原市にある『里山工房和菓子たむら』さんが手がけるお菓子が「たむらのみかさ」。岡山県産の小麦粉、地元産の新鮮な卵を使用した、どら焼きに似た和菓子です。
餡に使用する岡山県北部産小豆は、皮が柔らかく、風味豊かな高級品種「備中大納言小豆」。小豆の小気味良い歯応えや口どけは、さすが厳選されたあずきという印象です。

職人の手により生地を一枚ずつ手焼きで焼き上げているので、形が不揃いになっているそうですが、手作り感があってそれもまたいい感じ。食べ終わった後に「いいもの食べた!」という満足感が得られるお菓子です。
古見屋羊羹「高瀬舟羊羹」

江戸期の明和元年(1764年)創業の老舗『古見屋羊羹』がつくる「高瀬舟羊羹」は、山と海を結んだ高瀬舟をイメージした、岡山県落合で生まれた銘菓です。
厳選した北海道のえりも種の小豆を毎朝炊き上げ、小豆の味わいと食感にこだわった羊羹です。

買ってきてもすぐ食べてはいけません。3週間程で表面に薄くシャリ(表面糖化)がきたころが食べ頃。写真は実際に寝かしてみたものです。
つるの玉子本舗「白桃マスカット串きびだんご」

きび団子といえば、言わずと知れた岡山名物。そして、明治創業の老舗『つるの玉子本舗』(岡山市)も、桃太郎伝説をイメージした「白桃マスカット串きびだんご」を販売しています。

イラストレーター・大神慶子さんのデザインによるパッケージが可愛くて、思わず手にしてしまいました。

ふんわり柔らかいきび団子に、マスカットと桃のピュレを混ぜ合わせています。もちもちの食感と優しく広がるフルーツの香りが口に広がり、パッケージ同様、どこか可愛らしい味わい。普段のおやつにもいいですが、お弁当箱の片隅にデザートとして入れても可愛いですよ!
東京には、まだまだいろんな地方の美味しいものを販売しているアンテナショップがたくさんあります。今後も全国津々浦々、美味しい和菓子を探して紹介しますのでお楽しみに!
●SHOP INFO
とっとり・おかやま新橋館
住:東京都港区新橋1-11-7
TEL:03-6280-6474
営:10:00~21:00
休:年末年始
https://www.torioka.com/
●著者プロフィール
牡丹餅あんこ
フリーライター・編集。グルメ誌、旅行誌、女性誌、Webの取材、撮影、執筆、編集、イラストを担当。さまざまな土地のお土産やご当地グルメを歩いて探すのが好き。