お寿司は江戸前のにぎり寿司が一般的ですが、関西にはより伝統的なお寿司に「押し寿司」があります。
関西に来たからにはお寿司だって関西風を食べてもらいたい。
八坂神社のすぐ目の前にある『いづ重』
『いづ重』があるのは、京都を象徴する神社である八坂神社の目の前。神社の西楼門へと続く石段前の道路を挟んだ先にお店があります。
京都ではお馴染みの老舗の寿司屋。店の前に庭のような空間があり、神社の手水場のような雰囲気で水が滾々と流れていて、静謐な雰囲気を醸し出しています。
『いづ重』といえば、押し寿司や棒寿司が有名で、持ち帰りやお土産の印象が強いお店ですが、店内には飲食スペースもあるので、その場で食べることもできます。座卓の席やテーブルなど色々なタイプの席があるので、一人旅でも複数人でも訪れやすいお店となっています。
それでは名物の「上箱寿司」と赤だしをいただきましょう。
食べるのがもったいないほど美しい「上箱寿司」
「上箱寿司」はお皿で提供されます。箱寿司というとフタを開けて食べる時の驚きもいいのですが、こういうスタイルも現地のお店ならではの特別感があっていいですね。
いづ重の上箱寿司に使われている具材は、小鯛、海老、厚焼き玉子、穴子の4種類。見た目にも美しい市松模様の押し寿司で、一口一口楽しく味わえます。
小鯛はしっとりした食感の鯛に木の芽の青い香りが隠し味となっていて上品。
厚焼き玉子はふっくらとした食感に、ほんのりと甘さがあり、どことなく懐かしい味。穴子は、口の入れるとホロッとほぐれるサックリした食感が楽しめます。
ベースの酢飯は甘さ抑えめでコクのある味付け。酢飯の中には爽やかな香りを放つ木の芽がいいアクセントになっています。
一緒に頼んだ赤だしもミツバが香り、お寿司とのバランスが絶妙。全体として料理の美味しさと香りのよさも楽しめました。
ちなみに今回、特別に代表の北村さんにお店の裏まで案内してもらいながらお話を聞かせていただきました。お店のこだわりを伺うと、「昔からのことを守るだけ」と北村さん。「それはおくどさんと割り木の薪でお米を炊いたりするようなこと」と簡単そうに言っていましたが、それを守り続けるのは大変なことです。
北村さんは終始ニコニコしながらこうもおっしゃいました。
「お寿司はもっと庶民のごちそうであって欲しい。
実はお寿司を食べた飲食スペースは応仁の乱の直後頃の、活気のあった室町時代の室内を再現しているそう。茶の湯などの雅が確立される前、食をもっと気楽で奔放に楽しんでいた頃の造りになっているそうです。
『いづ重』は京都でも指折りの老舗ですが、堅苦しさはなく、気軽に入れて価格も意外とリーズナブル。八坂神社の目の前にあるので、京都旅行でぜひ一度は立ち寄ってもらいたいお店です。
(撮影・文◎けいたろう)
●SHOP INFO
いづ重(いづじゅう)
住:京都府京都市東山区祇園町北側292-1
TEL:075-561-0019
営:10:30~17:00
休:水・木曜 ※祝日の場合は翌日
http://gion-izuju.com/
●著者プロフィール
けいたろう
旅するグルメライター。大阪と京都をむすぶ京阪電車の沿線在住で、複数の旅行情報サイトにて旅とグルメのガイド記事を執筆。気になるグルメ情報があるとB級グルメも高級店も穴場のお店も有名行列店でも、とにかく幅広く取材!食楽webでは関西グルメ情報を中心に紹介しています。









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