北海道北斗市にある男子修道院「灯台の聖母 トラピスト修道院」。この製酪工場では、「トラピストクッキー」という銘菓があります。
歴史は明治期にさかのぼり、長年培ってきた乳製品づくりの技術を背景に、このクッキーも丁寧に焼き上げられています。
素朴でありながら、このクッキーでしか表現できない素材選びの確かさと、手仕事の温もりをしっかりと感じさせてくれる一枚です。
使用しているのは、修道院自家製の発酵バター。乳酸菌発酵によるまろやかなコクが生地に深みを与え、どこか懐かしさを覚える味わいに仕上げています。
バターのコクと、小麦のほろっとほどける生地。口に入れた瞬間に広がるのは、派手な甘さではなく、静かに積み重ねられてきた確かな美味しさです。軽やかな口どけの中に、素材そのものの力強さがじんわりと残ります。
時代の流れに大きく左右されることなく、基本の製法を守り続けている一品。華やかな焼き菓子が数多く登場する今でも、このクッキーが長く愛されている理由は、こうした揺るがないものづくりの姿勢にあるのだと感じます。
(撮影・文◎亀井亜衣子)
●DATA
トラピストクッキー
https://www.trappist.or.jp/home/Butter.html









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