いま、チョコレート好きの間で話題になっているお店『c7h8n4o2』をご存知でしょうか?
なんといっても店名がユニークで、テオブ口ミン(自然界でカカオにのみ存在する成分)の分子式を店名にしているのです。主にネット通販を主軸に、三越、東急、伊勢丹のサロン・デュ・ショコラなどの催事に定期的に出店。
『ショコラタリア エクアドル』の「ポートワインガナッシュ」(ポルトガル)

『ショコラタリア エクアドル』はポルトガルの高級チョコショップです。包装もおしゃれで、お土産に買う人も多い人気店です。このチョコの最大の特徴は板チョコの厚み。測ってみたら1.3cmもありました。大きさはロッテのガーナチョコレート(50g)よりもひと回りほど小さいのですが、重さは倍の100g。高級ポートワインのガナッシュがギッシリと詰まっており、ズッシリとした重さを感じます。ガナッシュのチョコは“粒状”が一般的ですが、板チョコスタイルのガナッシュが珍しく新鮮です。

チョコは少し甘めのミルクチョコレート。ガナッシュはポートワインの甘みと酸味が特徴。ガナッシュの融点が低いので、先にポートワインの酸味、その後ミルクチョコが溶けるにつれて、ほどよいカカオの酸味が登場してきます。
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『パンプストリートベーカリー』の「サワードゥ アンド シーソルト」(イギリス)

『パンプストリートベーカリー』は英国サフォーク州にある海辺の町・オーフォードに2010年11月にできたお店です。ジャマイカ出身のクリスさんと娘さんのジョアンナさんがパンとチョコレートを作り、ショップとカフェも併設しています。
原料のカカオ豆を、厳選した農家から直接、小ロットで仕入れ、選別、ロースト、テンパリング。いま話題のBean to bar(ビーントゥバー)チョコです。こちらのチョコは、「インターナショナルチョコレートアワード2015」で世界銀賞と英国銀賞、「アカデミー オブ チョコレート2015」でベストフレーバード ダークチョコバー銅賞などを受賞しています。

「サワードゥ アンド シーソルト」のカカオは、エクアドルのロス・リオスにある『アシェンダ・リモン』が2016年に作った66%を用いています。そこに、海辺の街らしく海水塩とパンの酵母「サワードゥ」を加えてできたのがこちら。板チョコに「サワードゥ」を加えた商品はこれまでには存在せず、このお店が初めてだそう。ベーカリーならではの発想です。
海水塩の粒が適度に含まれたチョコレートは、カリカリとした食感が非常に心地良いです。「サワードゥ」によってコクが加わり、カカオの酸味と交じり合って味わいに深みが増しているのがわかります。
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『ヴェストリ』の「ソリッソ」(イタリア)

『ヴェストリ』はイタリアのトスカーナ州アレッツォに30年ほど前にオープンしたお店。現在社長を務めるダニェーロ・ヴェストリさんのおじいさんが始めたのだそうです。
日本でよく知られている商品としては、水色の箱に金のスプーンが同梱された「アンティーカ・ジャンドゥイア」があります。『c7h8n4o2』では取り扱っていませんが、バレンタインやホワイトデーなどの期間限定で、百貨店に出店していることがあるので、買ったことがある人も多いのではないかと思います。今回ご紹介するのは、その『ヴェストリ』が手がける「ソリッソ」。
カカオ38%のミルクチョコにヘーゼルナッツペーストとセイロン産シナモン、バニラビーンズ、ライスパフなどが入ったチョコです。塩気のあるヘーゼルナッツペーストとシナモンの深い味わいと、ミルクチョコのコンビネーションが絶妙です。わかりやすく説明すると、スニッカーズを少し軽くして、味わいに奥行きを出したような感じでしょうか。

柔らかめのチョコですが、サクサクのライスパフの食感が楽しく、またヘーゼルナッツペーストの塩気の後に、シナモンとバニラビーンズが口に広がるのも魅力です。
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『アンティカ・ドルチェリア・ボナイユート』の「古代チョコレート」(イタリア)

最後は、『アンティカ・ドルチェリア・ボナイユート』(1880年創業)のチョコレート。イタリアのシチリア島南東部のモディカの最も古いチョコレート製造所です。モディカは古代から伝わるチョコレートの街としても世界中でよく知られており、14~15世紀のアステカが栄えた時代のレシピで作られる「古代チョコレート」が人気なんです。

ベースは65%のカカオと砂糖から作られ、フレーバーごとに素材が追加されます。例えば「レモン」は乾燥レモンピール、「オレンジ」は乾燥オレンジピール、といった具合。
口当たりをよくする乳化剤やカカオバターが使われておらず、カカオの香りを逃さないよう45度の低温で温めているのが最大の特徴です。そのため砂糖が溶け切れず、シャリシャリとしたざらつきのある独特な食感。後味には、カカオの酸味がダイレクトに伝わってきます。

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今回紹介したのはほんの一部ですが、まだまだ世界各国のおいしいチョコがありますので、ぜひ一度催事かお取り寄せしてみてはいかがでしょうか?
(撮影・文◎佐々木倫子)
●SHOP INFO
店名:c7h8n4o2
メール:c7h8n4o2chocolat@yahoo.co.jp
ツイッター:https://twitter.com/chocogakari?lang=ja
Facebook:https://www.facebook.com/c7h8n4o2/
※出張や催事の際は通販は一時的に休みになります
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