料理の味の決め手に欠かせないものといえば、美味しい調味料。特に胡椒は、どんな料理にも使える万能調味料です。

乾燥したものが一般的ですが、その概念を覆す胡椒が、今回ご紹介する“生胡椒”『純胡椒』なんです。その実力は、食通が足繁く通う下北沢のレストラン『サーモンアンドトラウト (Salmon & Trout)』の森枝幹さんや、フードディレクターや映画監督としての顔も持つ、原宿『イートリップ(restaurant “eatrip”)』のオーナー野村友里さんらが愛用しているほど。

“唯一無二の風味”その秘密はミネラル豊富な土壌にあり!

調味料の新常識! 名だたる料理人にも愛される生胡椒「純胡椒」とは?

 製造、販売を行なっているのは、『仙人スパイス』という小さな会社。この胡椒の製造者兼、代表を勤めている高橋仙人(のりと)さんは、東南アジア各地を巡り、水生植物や熱帯魚の生態を調査、捕獲するハンターという異例の経歴を持つ人物です。調査で訪れた、インドネシア・カリマンタン島で食したこの胡椒に魅了され、販売をスタートしたのだそうです。現在は、ネット販売だけでなく、全国の一部のスーパーにも置かれています。

 カリマンタン島は、一帯が湧水地帯になっており、豊富なミネラルを含んだ地下水が一体の土壌を潤している場所なんだそうです。この胡椒の持つ豊かな風味は、この土壌によるものだと高橋さんは語っています。

 さらに、生産から包装まで一貫して現地で行うという徹底ぶり。実った房を収穫し、その日に塩漬け、加工、瓶詰めまでを行なっているので、最大の特徴である風味を逃すことなく、瞬時に閉じ込めることができるのです。

調味料の新常識! 名だたる料理人にも愛される生胡椒「純胡椒」とは?

 多くのお店で取り扱いされているのは、カリマンタン島産の生胡椒を塩漬けにした「純胡椒」。一粒の大きさは5~6mmほどで、噛むとピリッとしたこしょうの辛みが口いっぱいにひろがります。辛いのが苦手な方はまな板で刻んでから使用するのが、オススメです。

さまざまな食材とのペアリングが絶妙な味わいを生み出す!

調味料の新常識! 名だたる料理人にも愛される生胡椒「純胡椒」とは?

 肉、魚、パスタ、ご飯など様々な食材と組み合わせても相性がよく、辛みを加えることで食品本来が持つ味わいをさらに引き出してくれます。塩気が結構強めなので、おつまみとして、日本酒はもちろんカンパリ系のカクテルなどとのペアリングもおススメです。筆者はこの時期、柑橘系の冷製パスタに使用して食べることが多く、あっという間に無くなります。

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 普段の食事にアクセントを加えてくれるかなり便利な逸品です。凝った料理を作るのが面倒な時にこれを添えるだけで、レストランの味わいに変身します。ぜひ自分なりのアレンを加えてみてはいかがでしょうか。ちょっとしたお礼やプレゼントにも重宝しそうな生胡椒です。

(取材・文◎佐々木倫子)

●SHOP INFO

店名:仙人(せんじん)スパイス

http://sennin-spice.com/
※代官山蔦屋書店、DEAN & DELUCAなどでも販売

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