GWや年末年始は必ず京都に帰省する筆者にとって、東京に帰る新幹線内で何を食べるかというのも大事なイベントのひとつです。お土産のなかには、賞味期限が短いものや持ち運びに適さないものもありますし、そういうものは新幹線のなかで食べてしまうのが一番。
そこで、京都駅の新幹線改札内で買える京都グルメをご紹介しましょう。有名店のあのグルメも京都駅なら改札内で買えるんです!
本店は常に大行列な“ふたばの豆餅”が並ばずに買える
左京区の出町柳に本店を構える『出町ふたば』は、豆大福の「名代 豆餅」が大人気の老舗和菓子店。常に人が並んでおり、京都人にとっては「豆大福といえばふたば」というくらいメジャーなお店です。

そんな出町ふたばの豆餅が、実は新幹線の改札内でも買えるんです。ただし、改札内で買えるのは日曜日限定。11時半前後から店内に並ぶそうなのですが、数に限りがあるので売り切れてしまうこともあるようです。

賞味期限が当日中なので人に渡すには難しいのですが、少し塩気のある赤えんどう豆がたっぷり入ったもちもちの豆大福は、何個でも食べたくなるおいしさがあります。
京都駅構内では改札内以外でも売られており、土曜日は新幹線八条口改札を出たところにある「ギフトキヨスク京都」、日曜日は新幹線中央改札を出てすぐの「ギフトキヨスク京都西」、京都伊勢丹の地下(月に数日のみ販売・オンラインで予約可能)で購入できます。ただし、いずれも数量限定なので、できるだけ早い時間にお店を覗いたほうが安心です。
素朴さがクセになる“志津屋のパン”は自分用のお土産に
パンの消費量が日本一と言われる京都は、有名なパン屋さんがたくさんあります。そんななか、京都育ちの筆者にとっては『志津屋』のパンが一番馴染み深いといっても過言ではありません。
志津屋にはさまざまなオリジナルパンがあるのですが、私のおすすめは「元祖ビーフカツサンド」。昭和23年の創業以来、伝統の味を守り続けるこのサンドウィッチは、少し甘みのある特製ソースがたっぷりかったビーフカツが最大の特徴です。4つ切りにしたカツが均等に入っており、見た目も食欲をそそります。

また、志津屋といえば、「カルネ」も忘れてはいけません。ふわふわの食感のフランスパンにハムと玉ねぎを挟んだシンプルなサンドウィッチで、味付けはマーガリンのみ。ちなみに、「カルネ」とはパリの地下鉄の回数券の呼称で、何度でも来てほしい、何度でも買ってもらいたいという想いが込められているのだとか。

ほかにも、関西らしいふんわりした厚焼き玉子ときゅうりを挟んだ「タマゴサンド」や、硬めのフランスパンにボンレスハムとプロセスチーズを挟んだ「カスクート」など、同店ならではのサンドウィッチはぜひ一度食べていただきたい“京の味”です。

京都らしいお茶のゼリーはデザートにぴったり
ひんやりしたスイーツが食べたいなら、『中村藤吉本店』の「生茶ゼリィ」はいかがでしょうか。宇治で160年以上続く老舗の銘茶店が手がける、抹茶を使ったあんみつのようなゼリーは、ほかではなかなか食べられないレアなおやつです。

口に運ぶと抹茶の旨みがしっかり感じられ、苦みや渋みはほとんどありません。甘さも控えめなので、普段は甘いものをあまり食べない人にも良さそうです。

ただし、生茶ゼリィは要冷蔵で、持ち運び時間は3時間となっているので、できるだけ早く食べるべきおやつなんです。宇治の本店に行くのは大変ですし、京都駅で買えるのはありがたいものですね。
関西人ならみんな知ってる「ぼんち揚」と「カール うすあじ」
東京に暮らしていると、たまに食べたくなるのが「ぼんち揚」と「カール うすあじ」です。いずれも西日本で売られているスナック菓子。京都以外でも買えるのですが、「あ、食べ忘れた!」というときに最後に買えるのが改札内のキオスクなんです。
ぼんち揚は、歌舞伎揚によく似ているのですが、歌舞伎揚よりもだしがきいていて、少しあっさりした印象です。

また、東京の人に「うす味って何の味なの?」と言われるカールのうすあじですが、こちらもかつおだしと昆布だしがベースとなっていて、オンリーワンな味付けなんです。

新幹線でビールを飲むときのおつまみにしてもいいですし、かさばる点さえ気にしなければ、お土産として持ち帰るのもアリ。
人気店のお土産を並ばずに買える京都駅改札内のキオスク。慌ただしい京都滞在のときにはぜひ立ち寄ってみてください。
●著者プロフィール
取材・文/今西絢美
編集プロダクション「ゴーズ」所属。京都生まれ。デジタル製品やアプリなどIT関係の記事を執筆するかたわら、“おいしいものナビゲーター”として食にまつわる記事も執筆中。旅先でその土地ならではのローカルフードを探すのが好き。