JR国分寺駅北口から徒歩2~3分にある『炭火焼 名古屋コーチン 串串』。その店名から想像できるように串焼きのお店ですが、からあげも絶品。
名古屋コーチンと言えば、誰もが知るブランド鶏。弾力があり、うま味が強いのが特徴です。一方で、肉質がしっかりしすぎて、ともすると火を通し過ぎると硬くなる傾向があるため、からあげで提供されることは実はあまり多くありません。
店主の佐藤高志さんによると、「名古屋コーチンは、噛めば噛むほどうま味が出てきます。鶏肉で商売をする者として、焼くだけでなく揚げる、煮るなどいろいろな調理法でその美味しさを味わってほしいと思いました」とのこと。これは楽しみです。ちなみに店主の佐藤さんはとても明るく面白く、やさしい人。界隈のカラアゲニストの情報によると、佐藤さんのこの人柄に惹かれて来店する人も多いのだとか。

その名古屋コーチンのからあげ、味付けは塩、こしょう、パプリカ粉のみ。醤油やニンニク、生姜などは使いません。衣は素揚げに近い状態まで薄くするため、揚げる直前に片栗粉などを軽くふりかけるだけとのこと。
確かにほかの鶏肉に比べて歯ごたえと弾力があります。歯を入れると一瞬、ギュッともキュッともつかない、歯を締め付けるような独特な食感に襲われます。それにしても、うま味がスゴい! 数回噛んだだけでコクのある濃厚なうま味が口の中に充満します。たしかに美味しい。余計な味付けをしなくて正解だと納得です。うま味たっぷりの肉汁は高級鶏スープのようで、それだけを飲みたくなるほど。名古屋コーチンのからあげがここまで美味しいとは思ってもみませんでした。
宮崎産ハーブ鶏の半身揚げと手羽先からあげも絶品

そして宮崎産ハーブ鶏を使った「ひな鳥の半身揚げ」(1,700円)と「手羽先揚げ」(450円)もいただきました。ハーブを食べさせて育てたハーブ鶏は臭みもなし。こちらも塩こしょうで味付けしてあり、ニンニクや生姜などは使用していません。30分ほどかけて2度揚げしている半身揚げは、上品なうま味があります。

手羽先は肉厚で食べごたえ十分。しょうゆやみりん、豆板醤、ザラメなどで作ったタレが利いています。甘辛いタレですが、かすかな酸味もある独特な風味のタレに後押しされて、筆者は3本をペロリ。もう何本でも食べられそうな手羽先からあげです。
いずれのからあげも衣が極薄なので、油っぽさがない、さわやか系の味わいです。ビールなどのお酒だけでなく、ごはんと一緒に食べてみるのもいいかもしれません。中央線沿線に出かける機会があれば、ぜひ訪れたいお店です。
●SHOP INFO

店名:炭火焼 名古屋コーチン 串串
住:東京都国分寺市本町3-10-18 浅見ビルB1F
TEL:042-326-9494
営:17:00~24:00
休:無休
●著者プロフィール
松本壮平
ライター・編集者。一般社団法人日本唐揚協会認定カラアゲニスト。生まれも育ちも「からあげの聖地」である大分県中津市。