ここ最近の食トレンドのキーワードには「発酵」、「スパイス」、「辺境中華」などがありますが、それを受け、今年は「鍋」界隈でも発酵&スパイス系が流行の兆を見せています。いずれもヘルシーがキーワードです。
が、なんと11年も前からスパイス鍋を考案し、知る人ぞ知るディープな鍋として根強い人気を博している、恵比寿のネパール料理店『クンビラ』の「ヒマラヤ鍋」をご存知でしょうか? 今回は、その正体に迫ります。
ヒマラヤ山麓の郷土料理を15種のスパイスでヒートアップ!

当地で25年、長野での創業から数えれば41年にもなる老舗ネパール料理店『クンビラ』のオリジナル「ヒマラヤ鍋」。実はこの鍋、ヒマラヤ山麓ではポピュラーな家庭料理のアレンジなのです。
ジェネラル・マネージャーの出口美保さんによると、「もともとは、骨つきのチキンをヒマラヤの黒岩塩とウコンで煮込んだスープで、子供の頃から食べていた母の手料理なんです」とのこと。山口さんのお母様は、ネパールはヒマラヤ山脈の麓、ナムチェ村の出身。いわば、出口さんのおふくろの味がベースの鍋というわけです。「現地では、高山病にかかったら生姜をたっぷり入れたり、薬膳的な一面もあるんですよ」と出口さん。
その商品化にあたって、スープにさらに磨きをかけたそう。ウコンのほか、オリジナルブレンドのガラムマサラを始め、エベレストにしかないピプラやネパール特有のジャイパトリなどなど、ざっと15種類余りのスパイスを使用。丸鶏からとったチキンスープと合わせれば、独特な深みを持つスパイシーな味わいに、食べる人の胃袋が歓喜します。

ところが、これだけのスパイスを使っていながら辛味は意外にもマイルド。食べ進むうちに、身体全体からじんわりと込み上げてくるようなスパイシーさが持ち味です。

雑炊の米は、オーナーのふるさとでもある長野県産。仕上げにお客の好みに合わせ、香菜、ネギ、トマトと玉ねぎ入りのピリ辛ソースで味を整えてくれます。
この冬、ココロと舌にガツンと響くヒマラヤ鍋、ぜひ味わってみてくださいね。
(文◎森脇慶子 撮影◎吉澤健太)
●SHOP INFO

店名:クンビラ
住:東京都渋谷区恵比寿南1-9-11
TEL:03-3719-6115
営:11:30~14:30LO、17:00~22:30LO
土・日・祝11:30~14:30LO
ティータイム 15:00~17:00、17:00~22:30LO
休:無休
※当記事は『食楽』2019年冬号の記事を再構成したものです