「ぼっかけ」って何だ?
皆さんは「ぼっかけ」という食べ物を知っていますか? 神戸出身の人ならすぐピンと来ると思いますが、牛すじとこんにゃくを甘辛く煮た「すじこん」のことです。
「ぼっかけ」という言葉は、もとは神戸市長田区周辺での通称。近畿地方では、「肉」といえば牛肉を指しますが、すき焼きやしゃぶしゃぶで使用する柔らかいロースは神戸っ子にとっても高級食材。

前置きが長くなりましたが、このぼっかけを油そばにのせた「ぼっかけまぜそば」の専門店が、東京・赤坂見附に11月19日にオープンしました。神戸にゆかりがある筆者ですが、すじこんやぼっかけうどんは、子供の頃に何度も食べたことはあるものの、この「ぼっかけまぜそば」は初めて。

どうやら、神戸三宮に本店を置く『神戸灘八』が元祖だそうで、今回、その店が東京初出店したということで、さっそく取材に行ってきました。
味変が楽しいぼっかけまぜそば!

平日の昼時に『灘八』を訪れると、お店はビジネスマンでいっぱい。店先の看板には「ぼっかけ」の丁寧な説明書きがありました。

まずは、スタンダートな「ぼっかけまぜそば」(880円)を券売機で購入。チケットを渡す際に、麺の温or冷、さらに量(並盛160g・大盛240g・特盛320g※+100円)を聞かれました。

まもなく登場した「ぼっかけまぜそば」。汁なしですが、あご出汁スープが付いてきます。一見すると、ぼっかけの量が少ない気が。

お店の食べ方指南どおりに食べてみました。
(1)まずはそのまま
まずは麺を食べてみます。タレが絡まった中細のちぢれ麺は、口当たりはツルモチっとしていて、冷やしにしたせいか、しっかりコシがあります。ぼっかけの牛スジはとても柔らかく炊き込まれていて、かなり甘め。最初は美味しいのですが、だんだん味が濃いな~と感じます。そこで、ステップ2へ。

(2)途中で卵をつぶし、よく絡ませる
卵黄のまろやかさが全体を包みこみ、濃さや油っぽさが薄まって食べやすくなりました。まるですき焼きを食べているような気分。ですが、少量のぼっかけは3口くらいで食べ終わってしまいます。そろそろ味変がしたくなったらステップ3へ。

(3)調味料を入れてカスタマイズ
卓上には、ニンニク、ショウガ、マヨネーズ、レモン、わさび、刻み玉ねぎ、一味、お酢、魚粉、秘伝のたれ、ブラックペッパー、ラー油などがずらりと並んでいます。

というわけで、甘さからスタートし、卵のまろやかさ、酸味、辛味、ツーンとした刺激などの味変を経ながら自分好みにカスタマイズできる「ぼっかけまぜそば」は、なかなか楽しくて、やみつきになる味でした。
しかし、食べ終わって店を出たあと、ふと、何か足りないことに気づきました。考えてみると、こんにゃくがなかった。ぼっかけ=すじこんだと思っていた筆者にとっては、こんにゃく不在は少し寂しかったのが正直なところ。
とにもかくにも、ぼっかけ未体験の人は、ぜひ自分好みの味変で、食べてみてください。
(撮影・文◎土原亜子)
●SHOP INFO

店名:ぼっかけまぜそば 神戸灘八
住:東京都港区赤坂3-18-9 磯谷ビル1F
TEL:03-5797-7744
営:11:30~22:00 土~15:00
休:日