こんにちは。羊肉の美味しさを啓蒙する集団・羊齧協会主席の菊池です。
今年はこんな状況なので中止となりましたが、そこで販売されて大人気だったのが、このラム肉骨茶(バクテー)なんです。「バクテー(肉骨茶)」とは、お茶ではありません。骨付き豚肉を、香辛料や漢方食材、そしてたっぷりのにんにくと一緒に煮込んだ、マレーシアやシンガポールを代表するソウルフードです。現地では、食事としてはもちろん、日本のラーメンのように、飲んだ後の〆にも人気だそうです。

私は常々、これは味的にラム肉で作ってもきっと美味しいはず! と思っていたのですが、ある時、思い切って日本唯一のシンガポールバクテー専門店である『新加坡肉骨茶(シンガポールバクテー)麻布十番店』さんに頼んで開発してもらったんです。ラム肉をあまり食べないシンガポールのソウルフードを、ラム肉を使って作るという試みです。
結果、これが大成功。イベントで多くの方から褒められ、本場の味を知っている方たちからも「アリですねー! 美味しい!」と嬉しい言葉もたくさんいただきました。私が作ったわけではありませんが、イベントの仕切りをやっていたので、自分のことのように嬉しかった記憶があります。
その後、多くの方から「どこで食べられるの?」「また食べたい!」といった問い合わせが相次いだのですが、残念ながらこのラム肉骨茶(バクテー)はイベント限定品。さらに、少量では作れないとのことで、まさに幻の料理となっていたのです。
しかしこの外出自粛が続くなか、とうとうその伝説のラムバクテーが通販限定販売されるとの情報が舞い込んできました。これは注文するしかない! というわけで、実際にお取り寄せしたラムバクテーが、いかに美味しいのか、その全貌をレポートしたいと思います。
幻のラムバクテーがまさかの通販スタート!

実は私もイベントで1回しか食べておらず、もう一回食べたいなあ…と真剣に思っていたので、到着がすごく楽しみでした。待つこと数日で無事に到着! 早速ランチでいただくことに。
まず、真空パックを空けて驚くのは芳醇で濃厚なスパイスの香り。これこれ、これですよ。家だとこれだけ豊富なスパイスはなかなか使えないので、まずこの香りでテンションがグンと上がります。肉骨茶は薬膳の要素も強い料理で、スープには、にんにく、黒胡椒、白胡椒、桂皮、甘草、八角、当帰、川弓(センキュウ/キュウは草冠に弓)など漢方薬とも通じる中華スパイスがたっぷりと入っています。さすが医食同源の華僑系のスープですね。
味見すると、まずはスパイスの風味がふわっと広がります。ラム肉たっぷりなのにあっさり優しい味。しかし、快いラムの香りやラムの旨味はどっしりと感じられます。毎日手作りで、化学調味料や防腐剤、保存料は不使用だそうで、人間の手で、手間ひまかけて作っているんだな、というのが濃厚なスープからビシビシ伝わってくる味です。
バクテーは付属の油条やご飯と一緒に食べるのが旨い

バクテーは、付属の油条(中華風揚げパン)やご飯と一緒にいただくのがならわしです。最初にスープそのものの味わいを堪能した後、このスープに油条を浸して食べたり、スプーンによそったご飯をスプーンごとスープに浸して味わったりするわけです。ポイントはご飯を固めに炊くこと。筆者は押し麦を加えたご飯で麦の食感もプラスしてみましたが、これは大成功でした。もちろん、現地風にジャスミンライスを炊いて添えれば完璧です。
ちなみに、ちょい足しアレンジとして、サッと茹でた春菊や春雨を入れたり、パクチーを散らしたりするとさらに美味しいとのこと。今回、筆者は到着してすぐに我慢できずに食べてしまいましたが、入念な事前準備をオススメします。
現在、新型コロナウイルスの流行による外出自粛で、体調を崩しがちになっている人も多いかと思います。さらに、これから梅雨に入り、しばらく天候不順が続くことが予想されます。ここは、熱帯のシンガポールのスパイシーなソウルフード・肉骨茶(バクテー)とラム肉のパワーで乗り切りましょう!
●SHOP INFO
店名:新加坡肉骨茶(シンガポールバクテー)
住:東京都港区麻布十番1丁目7‐12 OHMIYAビルB1
TEL:03-6434-7732
https://www.sgbkt.jp/
●プロフィール
菊池一弘
羊齧協会主席。羊肉を常食する岩手県遠野市出身の父の影響で、羊肉料理に親しんで育つ。
http://hitujikajiri.com/