最近はスーパーやコンビニでもクラフトビールが手軽に買えるようになりました。また、ネット通販で購入できる銘柄もたくさんありますよね。
今回は5月末から量販店で購入できるようになった、スプリングバレーブルワリーの「496(ヨンキューロク)」と「on the cloud(オンザクラウド)」を例に、自宅でクラフトビールを最高に楽しむためのポイントをご紹介しましょう。
ビールによっておいしく飲めるグラスが異なる

自宅でクラフトビールを飲む際に意識したいのが「グラス選び」です。香りが華やかなビールなら広い飲み口のグラス、喉越しを感じたい軽やかなビールなら、背が高めのグラスを使うのがおすすめ。
例えば「496」はラガースタイルのビールで、キレの良さや濃密なホップ感を楽しめます。そんなビールには飲み口が広く、鼻と液面が近づくグラスを使うことで、香りをダイレクトに感じられるんです。また、背が低いグラスを選べば、ビールが口全体に広がるので味をしっかり楽しめるのも魅力です。
それに対し、ホップ由来の爽やかな飲み口が特徴の「on the cloud」は、丸みがあり、飲み口がすぼまったグラスを使うといいでしょう。こうすることで香りが集まりやすくなります。また、背が高いグラスは上を向いて飲むことになるので、ビールが口の奥に当たってのどごしを感じやすくなるんです。
また、グラスは冷やしたほうがいいと思われがちですが、496のように芳醇な香りを持つビールは常温のほうがいいそうです。逆に、on the cloudは爽やかな飲み口を楽しみたいビールなので、グラスはしっかり冷やしてください。
クラフトビールは泡立てるだけが正解ではない

続いてのおいしく飲むためのポイントは「注ぎ方」です。ビールは「液面7:泡3」の割合で注ぐのが黄金比と言われていますが、クラフトビールの場合はそうではないものもあります。たとえば、496は泡立てないことがおいしく飲むためのポイント。瓶の中身をそのままグラスに移すようなイメージで注ぎましょう。
「on the cloud」のような爽やかな飲み口のビールは、液面7:泡3の割合で注ぎます。まずは高いところからグラスいっぱいにビールを注ぎ、液面6:泡4くらいになるまで待ちます。泡が落ち着いたら、泡立てないように残りのビールをグラスに継ぎ足し、液面7:泡3にしましょう。

高いところから勢いよくビールをグラスに注ぎます

泡が落ち着くのを待つことしばし。1~2分待てば写真のような状態になります

残りのビールを泡の下に滑り込ませるようにして注げば完成!
手軽に買える惣菜でペアリングを楽しもう

「ペアリング」と聞くと特別な準備や知識が必要な印象を受けますが、実は誰でも簡単にできます。ペアリングの手順は、「はじめにビールを飲む」⇒「料理を味わう」⇒「余韻が残っているうちにもう一度ビールを飲む」だけ。こうすることで、最初にビールだけで飲んだときとは異なる味わいが楽しめます。
ペアリングする料理の選び方は3パターンあります。
今回ご紹介した「496」は、色が濃く、麦芽由来の甘みがあるビールです。さらに、ラガータイプのビールらしい後味のキレの良さが特徴。こういった特徴を考慮したおすすめは、例えば「豚の角煮」です。角煮の濃厚なタレの色と甘みは496に近いものがあり、肉の脂やタレのこってりさをビールがリセットしてくれるのです。
一方の「on the cloud」はネルソンソーヴィンのホップ由来の爽やかな香りが特徴。少し草のような感じもあり、すっきりした味わいです。そこでペアリングしてみたのはワンタン。白い色味と小麦を使っている点がon the cloudと共通しているので、お互いを邪魔することなく楽しめる組み合わせです。また、パクチーや三つ葉を載せれば、青草のようなビールの香りにもよく合います。

クラフトビールのペアリングはおかずだけでなく、スイーツでも楽しめます。
496とon the cloudは、全国の一部量販店で数量限定販売されており、キリン公式通販「DRINX」でも購入できます。価格は1本380円。自宅でのリラックスタイムにクラフトビールを楽しんでみてください。
●DATA
キリン公式通販「DRINX」
https://drinx.kirin.co.jp
●著者プロフィール
今西絢美
「おいしいものナビゲーター」として、調理家電や食に関する記事を執筆。フードツーリズムマイスター、利酒師の資格も持つ。ウェブサービスやアプリのトレンドも絶賛追跡中。コンテンツ制作会社「TEKIKAKU」取締役。