埼玉県・西所沢にある『negombo33』といえば、創業約10年にして、全国のカレー好きが集まってくるスパイスカレーの名店です。2018年の「Japanese Curry Award」でメインアワードを受賞、同年にカレー激戦区である東京・高円寺(通称:日本のインド)に支店を出して話題になると同時に、レトルトカレーの「教えたくないお店の味」シリーズではカレー数種を次々と監修し、通販や成城石井などで大人気商品になるなど、なにかと話題のカレー店です。

さらに、今年6月8日、東京・新宿のゴールデン街の一角に『negombo33』が間借り店舗をオープンしたというニュースも飛び込んできました。間借りカレーというと、無名の店が初出店するパターンはよく聞きますが、『negombo33』ほどの超人気店が間借りをするというのは意外です。そこで、早速食べに行ってきました。
塩加減が最高の名物ラムキーマカレー

新宿ゴールデン街店のメニューは、『negombo33』の看板商品の「ラムキーマカレー」と酸味と黒胡椒の風味が効いた「ポークビンダルーカレー」の2つ。そこで、その両方が味わえる2種盛りを注文してみました。
まずは「ラムキーマカレー」から。ラムは、かなり粗めでゴロゴロ感のある挽き肉です。スプーンですくって口元に運ぶと、ラム肉の独特な香りと花山椒の香りがふわっと立ち、まだ食べていないのに、もうこの時点で美味しいと感じてしまう魅力があります。そして口に入れると、濃厚なラム肉とほろ苦いスパイスの風味が一気に広がります。塩気が強く、燻製の一歩手前かとも思えるほど旨みがギュッと凝縮されている。大胆さと繊細さを併せ持つ今まで食べたことがないタイプで、舌にガツンと印象が残ります。

続いて「ポークビンダルーカレー」。

どちらのカレーもインパクトが強く、後味にもグッとこみ上げる旨みがたっぷり。こちらの店長・構木丈さんにお話を伺うと、『negombo33』のカレーの個性の秘密が、ちょっとだけわかった気がしました。
「オーナーシェフの山田は、塩をとても意識していてカレーを作っているんです。例えばラムキーマカレーの場合は、ギリギリしょっぱい手前まで塩を強めに入れることで、ラム肉という個性の強い食材の旨みが前に出るわけです」(構木さん)

そのほか、「ラムキーマカレーでいうと、中華鍋でラム肉を炒めている際に、火力が強すぎて焦げ気味になってしまったのが、逆にいいビター感につながったり。ポークビンダルーに唐辛子を入れすぎたら、偶然うまく味がハマったり」など、興味深い試作中のエピソードも聞くことができました。
つまり『negombo33』のカレーは、オーナーシェフ山田氏の「万人に受けるカレーはない」という考えと魅力そのままの味。そしてその味にハマる人にとっては、最高に魅力的なカレーなのです。

『negombo33』のカレーは、本店の西所沢以外にも、今回ご紹介した新宿ゴールデン街店や高円寺店、レトルトカレーなど、いろんな方法で食べられますので、ぜひ試してみてください。
(撮影・文◎土原亜子)
●SHOP INFO

店名:negombo33 新宿ゴールデン街店
住:東京都新宿区歌舞伎町1-1-9 新宿ゴールデン街G2通り 2F
TEL:03-6228-0666
営:11:00~19:00
休:不定休
http://negombo33.com