2020年もとどまるところを知らない高級食パンブーム。生クリームやバターがふんだんに使われたリッチな食パンは、もちろん美味しいものですが、ちょっと甘めのものが多いですよね。
そんななか、和食との相性が抜群で、お味噌汁に合わせると絶品の食パンを茅ヶ崎で見つけました。その名も「海の和食パン」。茅ヶ崎ならではの魅力あふれる産品を投票で選ぶ「Choice! CHIGASAKI」にも選ばれた名品だそう。一体どんな食パンなのか、その気になる正体を探ってみました!
潮の香りがあふれ、噛むたびに旨みが増す

「海の和食パン」は、茅ヶ崎駅北口のバス通りを脇道にそれた、高田商店街の一角にある『Bread studio mog』で販売されています。
数人入るといっぱいになってしまいそうな小さなお店ですが、2014年のオープンから6年。なじみの常連さんが多く、9時半の開店から入れ替わり立ち替わりお客さんが訪れ、焼きたてのパンが次々と売れていきます。
食パンに「魚醤」が入っている!?

毎朝10時過ぎに焼き上がるのがこちら、「海の和食パン」です。北海道産の小麦粉に、ミネラル豊富な沖縄産の海水塩、まろやかな甘さのきび糖を合わせ、香料や着色料、保存料などの食品添加物、卵・乳製品は不使用で焼き上げています。
素材の旨みを存分に引き出すのは、天然酵母の力。じっくり発酵させることで味が深まり、噛みしめるごとにジワジワ旨みを感じる食パンに仕上がっています。

そして普通の食パンとは一線を画す、「海の和食パン」ならではの風味に仕上げているのが、地元・茅ヶ崎で獲れた魚で作られた魚醤「えぼしの雫」です。
『Bread studio mog』の店主、鈴木智哉さんは、かねてから「国産素材で無添加のパン、茅ヶ崎らしいパンを作りたい!」と思っていた矢先、この魚醤と出合ったそう。

そして「えぼしの雫」を使って、潮の香りを感じ、味わえるパンを作ろうと、素材探しから素材の配合バランスまで納得がいくまで試作錯誤を重ねた末、ようやく完成させたのだそうです。

ずっしり重い、旨みの宝庫!

手に取った「海の和食パン」の印象は、ずっしりの一言。「定番商品の角食より小さいパン型に、角食より多い生地量を流しこんで焼いているので、みっちりした食パンに仕上がっている」と言うから納得です。
購入当日は、耳までソフトなしっとりもちもち感が楽しめる「生」でいただくのがおすすめ。ほのかに鼻腔をくすぐる魚醤の香り、生地に練り込まれた海苔が海を思わせ、噛みしめるとほんのりと甘い。「味わい深い」という表現がぴったりで、高級食パンに引けを取らない美味しさです。
2日目はカリッとトーストで味わう

2日目は軽くトーストしていただきましょう。焼いている間にも漂う魚醤の香りがたまりません。食感はサクッと、そしてモチッと。食感のアクセントになる耳がカリッとしていて、これまた旨い!
ちなみに筆者は、上面以外の全てが耳で覆われた噛みごたえのある端っこのトーストが大好物。香ばしさ200%のごちそうです!
和風の献立にもしっくり合う!

肝心の和食メニューに、軽くトーストした「海の和食パン」を合わせてみましょう。魚醤が使われているだけに、お味噌汁を飲みながら食べてみると‥‥‥、う、旨すぎる。煮物や和え物と交互に食べても違和感なく味わえて、白いご飯に負けない主食になりました。

パン自体が甘くないこと、魚醤はもちろん、きび糖やごま油など、和の素材が使われていることが、和風のおかずにばっちり合う理由なのかもしれません。

店主の鈴木さんに教えていただいた “ダイスカットチーズ焼き”にも挑戦してみました。

ちなみにお店では、「海の和食パン」でごぼうのサラダと味付きたまごの和総菜をサンドした、ボリューム満点の手づくりサンドイッチも販売(金土日のみ)。お取り置きの予約が入るほどの人気です。
この食パン、国道134号沿いに2022年にオープンする茅ヶ崎の「道の駅」でも販売が決まっているそう。五感が喜ぶ「海の和食パン」の未知なる味わいを求めて、ぜひ一度、お店に足を運んでみてください。
(撮影・文◎池田実香)
●SHOP INFO

Bread studio mog
住:神奈川県茅ケ崎市高田2-3-6
TEL:0467-38-8844
営:9:30~18:00
休:月曜、第3火曜