大阪のソウルフードの代表格と言えば「たこ焼き」。お好み焼きや串カツに比べてファストフード感覚で食べられるので、大阪にはタコ焼きにうるさい人が本当に多く、まさに十人十色です。
大阪人に「どこのたこ焼き屋が1番か?」という話題をしようものなら、喋り好きなこともあって「あの店が1番」、「いや、こっちが1番」とたこ焼き会議が開催され、だいたい揉めます(笑)。

そんな大阪人のたこ焼き会議で必ず名前が挙がるのが、『甲賀流(こうがりゅう)』というお店。東京でいえば、原宿のような若者の街「アメリカ村」にあります。

『甲賀流』があるのは、アメリカ村の象徴的なスポットである三角公園の目の前。通りに面した店先では、タコ焼きがどんどん焼かれています。若者人気を得て40年以上の愛され続けている老舗で、休日平日に関わらず、三角公園でたこ焼きを食べている人を見かけ、その人気の高さが伺えます。
『甲賀流』のたこ焼きはふわふわ、トロトロ!

こちらが大阪の人にすっかりお馴染みの『甲賀流』のたこ焼きです。とりあえず、熱々を食べてみましょう。

最大の特徴といえば、ふわトロの食感。小麦粉の量を少なめに抑え、山芋を使った生地はフルフルと柔らか。
カリッとしていたり、モチッとしていたり、たこ焼きの生地に何を求めるかにもよりますが、こちらのたこ焼きは柔らか系生地の完成形といえる存在です。

中に入っているタコはプリッとしていて、大きめにカットされているので存在感もたっぷり。柔らかくふっくらと焼かれ、時間が経つとペシャッと潰れてしまうので、焼き立てをハフハフ言いながら食べましょう。
「たこ焼きにマヨネーズ」を流行らせた名店

また『甲賀流』で欠かすことのできないのが、マヨネーズの存在。今でこそ当たり前となった“たこ焼きにマヨネーズ”という組み合わせ、実は『甲賀流』が元祖と言われています。
規則正しく網目状に掛けられた自家製の“網掛けマヨネーズ”は、酸味が抑えられたまろやかな味わい。リンゴや玉ねぎなどをたっぷり使ったフルーティなソースが山芋入りの生地と絡み合うことで、ふんわりと優しい味のたこ焼きを生み出しています。
バリエーションも豊富! 「ブラックペッパーソルト&マヨネーズ」も絶品

定番のソースマヨが一番人気ですが、ほかにもバリエーション豊かなたこ焼きが存在しています。ちょっと珍しいメニューが、マヨネーズに粗挽きの黒こしょうがたっぷり乗った「ブラックペッパーソルト&マヨネーズ」です。

マヨネーズのまろやかさの中に、ピリリとした黒こしょうの辛味がアクセント。レモンを掛けて食べるとさらにスッキリして、いつもの味とはまったく異なる印象です。『甲賀流』のたこ焼きに馴染みのある大阪の人にこそ、食べてもらいたい一皿です。
ねぎが盛り盛り! 「革命のねぎポン」も人気

「革命のねぎポン」も人気メニューの一つです。変わり種たこ焼きの定番商品ですが、『甲賀流』のこだわりがギュッと詰まった一品。たっぷり乗った青ネギは、香りや彩り用にだけ乗せられているわけではなく、シャキシャキとした心地よい食感が楽しめます。

そこに、ダシと柑橘系のバランスのいい特製ポン酢が掛かっていて、七味をかけて食べれば想像以上の旨味とサッパリ食感! いくらでも食べ続けられそうな味わいです。
店舗2階にはイートインスペースもあり

たこ焼きを買ったらアメリカ村の街歩きや三角公園で食べる人がほとんどで、知らない人も多いと思いますが、お店の2階はイートインスペースになっていて落ち着いて食べることも可能です。

壁には関西のいろんなTV番組で取り上げられた際の写真が飾られているので、甲賀流の40年の歴史を感じることもできます。
●SHOP DATA
甲賀流 本店
住:大阪府大阪市中央区西心斎橋2-18-4 甲賀流ビル1F
TEL:06-6211-0519
営:10:20~20:30
休:無休
http://www.kougaryu.jp/
●著者プロフィール
けいたろう
旅するグルメライター。大阪と京都をむすぶ京阪電車の沿線在住で、複数の旅行情報サイトにて旅とグルメのガイド記事を執筆。気になるグルメ情報があるとB級グルメも高級店も穴場のお店も有名行列店でも、とにかく幅広く取材します。食楽webでは関西グルメ情報を中心に紹介していきます。