栃木県の宇都宮といえば“餃子の街”として有名なのは周知の通り。東京でも “宇都宮ブランドの餃子”は買えますが、先日、日光市に住む友人に「地元でしか味わえない餃子の美味しい居酒屋がある」と聞き、すぐにその週末、宇都宮への旅行計画を立てたのです。
ところが、いざ日程を友人に話すと、その餃子居酒屋は休日・祝日が休みと言うではありませんか。ガッカリしていると、「でも大丈夫。宇都宮は餃子以外に肉も美味しいから」と薦められたのが、宇都宮駅近くの『ホルモン屋 壺亭』でした。
「人気店でいつも満席だけど、予約しておけば大丈夫」と言うので、すぐに店に電話してみると、休日はすでに予約でいっぱいとのこと。ただしお店の方いわく、「予約席以外にフリー席が4席あるので、早めに来ていただければ予約なしでも入れます」とのこと。ならば開店直後に行ってフリー席をゲットするしかない! というわけで、いざ宇都宮に向かいました。
プルンプルンの新鮮マルチョウが絶品!

『壺亭』はJR宇都宮駅東口から徒歩8分ほどの「屋台村」の中にありました。
17時30分の開店直前に友人と店の前で待ち合わせ。すでに先客の2人(女性)が開店を待っていました。どうやら我々と同じく、予約なしのフリー席狙いでしょう。合計4席はこれで満席。というわけで、私と友人は無事に席をゲットできました。

まずは乾杯を…ということでビールとキムチを注文。そしてホルモンは、友人がオススメの部位を選んでくれました。マルチョウ、国産和牛のハツ、牛ハラミの3種類。
筆者が「牛タンやセンマイ、上ミノも食べたいなぁ」とつぶやくと、友人は「まあまあ」と制してきます。「ここは量がかなり多いから、様子を見ながら追加した方がいい」と言うのです。

そして最初に登場したのが「マルチョウ」(840円)。それを見て、すぐに友人の忠告に納得。マルチョウは壺にギュウギュウ詰め、かつ山盛り。しかも1つ1つが極太。見事な薄ピンク色で、ツヤツヤ&プリップリ。新鮮さがひと目で伝わってきます。

続いて、和牛ハツ(880円)と牛ハラミ(1200円)。

さっそく、マルチョウから焼いていきます。コロコロ転がしながら、中まで火が通るよう、転がしながらじっくり焼いていきます。脂がジワ~っと表面に滲み出てきて、はち切れんばかりのプリップリ感。

焼き上がったマルチョウを口にしてみると、プルプルの食感で、プチンと割れて口の中に旨みたっぷりの肉汁と脂がほとばしります。その脂が甘いのなんの!
続いて、和牛ハツを焼いてひと口。サクサクとした歯切れ良い食感で、肉の旨みがジワリジワリと響いてきます。うーん…思わず無言になるほどの旨さです。

そして焼肉の定番部位・牛ハラミ。適度なサシが入っており、噛むと実に柔らか。赤身と脂のバランスが上々で、噛むたびに旨さが押し寄せてきます。寄せては返す旨みの波の合間に食べるキムチもめちゃくちゃ美味しくて、ビールも箸も止まりません。
こんなに美味しいホルモンで、しかもボリューム満点、かつリーズナブル。「確かに宇都宮は餃子だけじゃない。それどころか肉もホルモンも最高!」と感激しきり。壺に入ったマルチョウに至っては、焼いても焼いても、まだまだ出てきます。無限に湧いてくるんじゃないの!? と不安になり、思わず壺の中を覗き込んだほど。壺の中にはキャベツと玉ねぎも入っていましたが、ほとんど底上げしていないんです。

3種類のホルモンとキムチを注文しただけなのに、お腹パンパンで、これに上ミノやセンマイなどを追加していたら、とても食べ切れなかったと思います。そしてお会計してみると、2人でさんざん飲んで食べて、なんと約5000円ちょい。美味しいだけでなく、量もたっぷりでリーズナブル。もはや宇都宮にはここのホルモン狙いで遊びに行くのが正解かもしれない…と、いま割と本気で思っています。
次回は、もっと大人数で、牛タン、上ミノ、センマイなど色んな部位を食べに再訪問予定ですが、あの絶品“壺マルチョウ”は絶対また頼みたいと心に誓っています。
(撮影・文◎土原亜子)
●SHOP INFO

店名:ホルモン屋 壺亭
住:栃木県宇都宮市東宿郷2-17-10 東口屋台村
TEL:028-638-7777
営:17:30~翌1:00
休:無休