おなじみのプロントが、昨年から夜の時間帯を「サカバタイム」と銘打って、新業態『キッサカバ』(喫茶+酒場)をスタートさせているらしい…とのウワサを聞きつけました。なんでもひと昔前の懐かしい酒場をイメージしており、おつまみメニューもハムカツやポテトサラダ、タコサンウインナーなど郷愁を誘うものがたくさんあるとか。

中でも一番人気が「チューリップカラアゲ」というではありませんか。これはカラアゲニストとしては見過ごすことはできません。ひと昔前はお弁当やパーティーなどでお馴染みだったチューリップからあげ。切れ目を入れた手羽から骨を1本抜き、肉をクルリとひっくり返して形状を整えて揚げるものです。
作るのに手間がかかるなどの理由から、飲食店などで見かけなくなった不遇の時期もありますが、ここ最近は再び脚光を浴び始め、提供するお店も徐々に増加傾向にあります。ノスタルジックな雰囲気漂うキッサカバでいただく、懐かしのからあげ・チューリップを味わいに、早速行ってきました。
気になる「チューリップカラアゲ」の実力やいかに?

1本からオーダーできる「チューリップカラアゲ」は「プレーン」、「ザク辛」、「危険なのり塩」の3種類。やはりすべて味わってみたいので、各2本ずつオーダーしました。
まずは「プレーン」からいただきます。ザックリとした衣はやや厚め。昨今は“薄衣”にこだわるからあげが主流ですが、かつてはこんな厚衣も一般的でした。この点も懐かしさを覚えるポイントですね。厚めの衣ですが、油っぽさはナシ。

プレーンでその旨さを噛み締めた後は、「ザク辛」に挑戦。オリジナルスパイスがたっぷり振りかけられていて、口から火を吹きそうな激辛を想像。しかし食べてみると、不思議なことに、ほとんど辛くない! 唇や舌を突き刺すような刺激を覚悟していましたが、プレーンの味にマイルドな旨みが加わった印象。唇をやさしくなで、舌にそっと舞い降りるような旨み。これはたまりません。プレーンを2~3個食べたあとに味わいたいからあげです。
「危険なのり塩」は旨いけどドリンク必須!

次に「危険なのり塩」。オリジナルののり塩がたっぷりかけられたからあげは、香りがとにかくイイ。ひと口食べれば、磯の風味が炸裂し、衣の香ばしさ、肉の旨みに爽やかな味わいをプラスしてくれます。
ところでなぜ「危険なのり塩」というネーミングなのか。マネージャーの藤原学さんによると「のりが歯や唇にくっついてしまうから」とのこと。納得です! 「お酒など、ドリンクで洗い流してください」との藤原さんのアドバイスに従い、さっそくサワーを注文。『キッサカバ』と言うだけあって、ドリンクの種類はかなり豊富で、とくにオリジナルのサワーに力を入れているんですね。

今回は「クリア珈琲」「スッキリ紅茶」「生オレンジサワー」をいただきました。筆者は「クリア珈琲」がからあげに合うと感じました。ウォッカベースのサワーですがすっきりとしていて、ほのかに香るコーヒーの風味が最高です。

このキッサカバには「すんごい胡椒のたまごポテサラ」「灼熱のもつ煮」「オカンが作るハムエッグ」など、ネーミングのユニークさとともに懐かしさを覚えるメニューがたくさんあります。チューリップからあげとサワーと一緒にぜひお楽しみあれ。
●SHOP INFO

店名:プロント 銀座コリドー店
住:東京都中央区銀座6-2
TEL:03-3571-7715
営:17:00~22:00(日・祝はカフェのみ)
休:無休
●著者プロフィール
松本壮平
ライター・編集者。一般社団法人日本唐揚協会認定カラアゲニスト。