近年のジビエブームは郷土料理の枠組みを抜け、高級レストランのみならず、ファストフード界にも進出。ジビエ肉が身近な食材として定着しつつあります。
2022年11月1日~2023年2月28日まで開催され、農林水産省が主体となり、農作物への鳥獣被害対策のために捕獲された鳥獣を地域資源として利用している企業や団体など1030店が参加しています。
今回のフェアでは食用のほか、革製品やペット用フードへの活用など、様々な取り組みを紹介しています。ということで、「ジビエフェア」開催中に実際に食べることができる3社の料理を試食してきました。
大人気のハムからハンバーガー、ラーメンまで、多彩なジビエ料理が楽しめる

熊本県天草市にて、イノシシの被害対策を行っている『熊本農家ハンター』。IT技術を駆使して鳥獣対策に取り組み、農家自ら対策できるようなシステムを構築しています。

箱罠で捕らえたイノシシをソーセージやスモークハム、カレーなどに加工しています。その味が評判となり、全国から買付の注文が入るほど人気。ジビエは臭みやクセがある、というイメージを払拭します。

千葉県木更津市にある『KURKKUFIELDS』では、渡仏経験のあるシェフによるジビエ料理が人気です。フランスではジビエ肉が一般的に食されており、その味わいの魅力から帰国後にハンター資格を取得。料理を提供するだけでなく、自社で処理し熟成させることでドリップを抑えた理想的なジビエ肉を探求しているそうです。
「鹿テリーヌ」や「猪ビアブルスト」など、味はジビエらしい豊かな香りと旨みの濃さが特徴。フルボディの赤ワインと一緒に、腰を据えてじっくり味わいたい名品です。

千葉県君津市にある『君鶏』では、「君津ジビエバーガー」と「君式ジビエ担々麺」の2品を提供。「君津ジビエバーガー」はヘルシーな赤身肉で濃い旨みがありますが、ジビエ特有の臭みは全くありません。同じ君津産のハチミツと相性ばっちり。ジビエ初心者も食べやすく仕上がっています。

「君式ジビエ担々麺」は粗めの挽肉で、しっかりジビエの存在を感じられます。味噌の風味ともマッチしていて、牛豚鶏と比べても違和感なく食材として料理にとけ込んでいます。赤身肉なので濃厚ですが、後味がさっぱりしているのもジビエの特徴です。

味の美味しさは、十年前に比べると格段に上がっている印象です。この機会にぜひ、ジビエを楽しんでみてはいかがでしょうか。
(撮影・文◎亀井亜衣子)
●DATA
全国ジビエフェア
https://www.gibier-fair.jp/