アジフライといえば、定食屋や居酒屋などでも定番中の定番メニュー。ご飯にもビールにも合う、まさに魚フライ界の王様です。

しかし一方で、調理方法がシンプルが故に、鮮度や産地、獲れた時季によってけっこう味に差が出やすいのもまた事実。そこで今回は、東京で味わえる至極のアジフライをご紹介します。

 まずトップバッターは、東京・新宿区大久保にある『釣りあじ食堂』。コリアンタウンの中にある、アジが美味しすぎる居酒屋です。

 店を切り盛りしているのはご主人の神山克也さん。真っ黒に日焼けしていますが、これには理由があります。何しろ毎週2回、朝の7時に本牧横浜港に行き、そこから釣り船に乗って7時間半、東京湾名物の「金アジ」を1回で100尾前後釣り上げるからです。それを自ら捌いて、刺身やなめろう、フライなどの料理にして提供。まさに新鮮この上ない金アジを堪能できるんです。

正月明けに食べたい! 究極の「アジフライ」が味わえる東京の名店3選

 揚げ時間は180度の油で約3分。サクサクっと耳に響く軽い音。その先に現れるふっくら純白のアジの旨さときたら…。

口中に広がるアジ独特の脂の旨み。塩でもソースでも醤油でもいけますが、何もなくても最高に旨い。アジの味がめちゃくちゃ濃いんです。

 また、アジを知り尽くしたご主人が作る、らっきょ入りの自家製タルタルソースも最高に合います。ちなみに、刺身やなめろうなどの一品料理も抜群に旨いです。

●DATA

釣りあじ食堂

住:東京都新宿区百人町1-15-4
TEL:080-3364-0829
休:不定休

聖地・松浦産のアジを使った気鋭のアジフライ専門店

正月明けに食べたい! 究極の「アジフライ」が味わえる東京の名店3選

 2022年3月に東京・市ヶ谷にオープンしたアジフライ専門店『トーキョーアジフライ』。開業から間もないというのに驚くほどの人気ぶりで、午前11時の開店前から行列ができ、あっという間に売り切れるほど。

 看板メニューは「手仕込みアジフライ定食」。こちらのアジフライは、水揚げ量日本一を誇り、“アジの聖地”と呼ばれる長崎県松浦市のアジを使っているのが特徴。松浦市から毎日直送されてくるものを店内で丁寧に下処理し、オーダーが入ってから揚げていきます。

正月明けに食べたい! 究極の「アジフライ」が味わえる東京の名店3選

 ご飯に味噌汁と卵黄の醤油漬け、漬物とわさびおろしがお盆にのっており、メインのアジフライは別皿で登場します。アジの身4切れ+カリカリに揚げられた中骨の部分が鎮座。

 いざパクリといけば、さっくりとした爽快な歯ごたえの後、肉厚でふっくらとしたアジの身に到達。

アジの旨みと鮮度の良さがダイレクトにグイグイ迫ってきます。中骨の周囲もうまく揚げられていて、パリッパリの香ばしいお煎餅のよう。さすが専門店だけあって、期待を裏切らない美味しさです。

●DATA

トーキョーアジフライ

住:東京都千代田区九段南3-8-10 ACN九段南ビル B1F
TEL:03-6272-4666
休:日曜

店主自ら釣り上げる「金アジフライ」が激ウマな板橋の人気店

正月明けに食べたい! 究極の「アジフライ」が味わえる東京の名店3選

 東京・板橋区、東武東上線「大山」「中板橋」の両駅から徒歩15分の場所にある『あじ○(マル)』。こちらも『釣りあじ食堂』と同じく、ご主人が東京湾で釣ってきた新鮮な「金アジ」を刺身やフライにし、昼は定食、夜はつまみとして出しているお店です。

 名物の「アジフライ定食」は、土鍋で炊いたご飯と味噌汁、お新香付きで注文が入るごとに手早く開いて揚げる金アジは、まさに絶品のひと言。レアに近い状態に揚げ、余熱でじんわり火入れしていきます。

正月明けに食べたい! 究極の「アジフライ」が味わえる東京の名店3選

 ご主人オススメの食べ方は、まずはそのまま。そして塩、醤油で。かじってみると、軽快なサクサクッとした音を立て、フワフワ感に口が歓喜。臭みは一切なく、脂がのっていて「ちょっと美味しすぎませんか?」と詰め寄りたくなります。

正月明けに食べたい! 究極の「アジフライ」が味わえる東京の名店3選

 そしてこの「アジフライ定食」は、ご飯も最高に旨いんです。

新潟の農家から送られてくるというコシヒカリ100%のお米を奥さまが土鍋で炊いており、ツヤツヤで米粒1粒1粒がふっくら。さらにお味噌汁も完璧。言うことなしの定食です。

●DATA

あじ○(マル)

住:東京都板橋区大谷口上町37-13
TEL:03-6905-9777
休:土・祝

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