家具付き物件が常識

イギリスでは、部屋を借りるときに家具がセットになっているのが普通です。とくにロンドン市内では、その傾向が強いようです。
とくにハウスシェア・フラットシェアの物件であれば、食器や調理器具がそろっています。さらに日系の物件が中心ではありますが、掛布団、まくら、リネン類がついているところもあります。テレビは付いていないのが普通ですが、生活必需品は一通り揃っているので、すぐに生活をスタートすることができます。
最近では、日本でもこういった物件は増えつつありますが、まだまだ一般的とは言えないですよね。
こういった環境が身近にあると、何が便利かというと、「引っ越し」です。ほかの物件がよいなと思ったら、気軽に引っ越すことができます。ベッドや冷蔵庫、洗濯機といった大物を動かす必要がないので、引っ越し作業もスムーズ。一人暮らしであれば、Uber含め小さめの車の利用で十分ですし、荷物が少なければバスや電車で済むことも。そのため、平日仕事から帰ってきて、夜遅くに引っ越しをする人もいるほどです。
こういったシステムは、実は、旅行者がちょっと長めに滞在するのにも活用できます。
不動産会社を通さない直接取引もあり
大家がサイトを通じて直接入居者を探している物件があります。
礼金なし。敷金あり

日本でも礼金なし物件は増えてきましたが、こちらでは大家さんの懐に入る礼金がありません。家賃は日本よりずっと高いものの、初期費用がそれほどかからないので、これも引っ越しのしやすさにつながります。
敷金に相当するのがデポジット。入居を決めたら、家賃の0.5か月~2か月分くらいを支払います。このデポジットは、政府の管理システム下に置かれて正しく取り扱われるのが法律で定められています。入居者は、専用サイトで管理状況をチェックできます。
ちなみに、イギリスでは2か月前に退去の意思を伝えるのが一般的とされていますが、物件にもよるようです。
不動産会社に出向かない

サイト上で物件をみつけたら、連絡ツールでやりとりし、下見する日取りを決め、現地で待ち合わせします。
また日本とのささやかな違いではありますが、イギリスではガスの検査を1年に1度行われます。筆者はやりとりの中で、その証明を提示されたこともあります。また部屋の備品のコンディション、壁に染みがあるかなどの記載済みのチェック表を確認し、異議があれば書き込んで、その日のうちにメールで提出するという作業も、トラブルを防ぐ上では重要です。
日本では、引っ越しは一大事ですが、イギリスではもっと気軽なものだというのがお分かりいただけたでしょうか。こんなシステムが日本に浸透したら、若者の一人暮らしのハードルも下がりそうですね。