泣いてしまうのは高度が原因

涙管が地上よりも敏感。
なぜ涙もろくなるかというと、飛行中は気が弱くなりがちなのだそう。ライフスタイル医学に詳しいイギリスのニック・ナイト博士によると、普段とは違って高度の高いところにいると、空気圧が低くなり、酸素の濃度も下がるので、情緒不安定になるのだそうです。フライト中は30,000フィート(約9144m)の高さにいますが、機内気圧は約0.8気圧になるよう調整されています。これは、標高約5,000~8,000フィート(約1524m~2438m)にいるようなイメージなのですが、それでも影響があるのですね。また酸素レベルが下がることで体が疲れやすくなり、それも感情に影響を及ぼすとのこと。
さらにイギリスの行動心理学者のジョー・ヘミングスによると、友人や家族と一緒でない、たった1人のフライトには孤独感があるのと、ヘッドフォンで音を聴き、画面は顔の目の前という状況も、ふだんよりぐっと感情的になりやすくしているとか。
気圧による体への影響

飛行機の離陸直後、着陸に向かうとき、耳が痛くなったり、詰まった感じがすることはよくあると思います。ほかにも、気圧のせいで体に悪影響を与えることがいくつかあるのです。
1つ目は、おなかが張ってしまうこと。
2つ目は、歯痛です。虫歯や、処置している途中の歯がある場合、その中の空気が膨らんだりして歯を圧迫して痛みにつながるのです。
3つ目は、顔の痛みです。前頭部を中心に、目の周りやほっぺたが痛くなることがあります。鼻が詰まっていると、中の空気が膨らんで出ることができず、痛みにつながることがあります。副鼻腔炎と言います。これは耳詰まりなどと同じように、つばを飲み込む、あくびをする、鼻と口を封じて空気を耳からそっと出すような耳抜き(バルサルバ法)などをやると和らぐことがあるそう。
フライト中は慣れない環境で、心も体もデリケートになっています。なにか少しでもリラックスできるようなものを持参して自分を労わってあげましょう。
(参考)
The Telegraph
JAL
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