
無口な店主に意を決して話しかける
調理中も、関東と関西のイカ焼きの違いの話以外は完全に無言だった店主。おとなしそうな人に無理やり話しかけるのは苦手なのですが、このままでは駄菓子屋探訪ではなく、ただいか焼きを食べに来た人になってしまうので、意を決していろいろと尋ねてみることにしました。
宮永「新しいお店っぽいですけど、いつ頃から開けてらっしゃるんですか?」
店主「2010年ですわ。定年退職して暇になるのも嫌で、土地から建物から全部買って始めましたんや。なんでよりによって駄菓子屋にしてしもたんやろなあ。使ったお金、回収するのに40年くらいかかりますわ」
宮永「“すごろく”という店名はどんな由来なんですか?」
店主「意味は別にないんですわ。客商売は「さしすせそ」のどれかから始まる名前がええいう事を誰かから聞きまして、それなら子どもでもわかる「さいころ」か「すごろく」でええかなと思いまして」
宮永「いか焼きが名物なんですね」
店主「名物いうほどのものでもないんですわ。たこ焼きは作るのが難しい思いまして、いか焼きなら鉄板の機械買えば誰でもできるから」
※店主の言葉は播州弁に変換してお読みください

話してみると、とても愛嬌のある面白い方でした。結構な額の私財を投じてお店を始めた人が、こんなに肩の力が抜けきっていることってあるんでしょうか(笑)。
子どもたちからは「おっちゃん」と呼ばれ、傍から見ていても、とても慕われているのがわかります。店主のリラックスした空気感が子どもたちにとっては安心感となり、それが信頼関係の礎になっているんだろうなと感じました。一切の無理をせず、自分の持ち物で、自分のペースで、できることだけをして楽しむ。セカンドライフに上手に組み込まれた、駄菓子屋の新しいあり方を教わった気がしました。

すごろく
住所:兵庫県加古川市野口町野口443-4
電話:080-3868-4569
営業時間:12:00~18:00
定休日:火曜日
[All photos by Atsushi Miyanaga]
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