『新世紀エヴァンゲリオン』、『スレイヤーズ』、『爆裂ハンター』、『セイバーマリオネットJ』などの大ヒットアニメに出演し、人気声優に登り詰めた林原めぐみは、キングレコードスターチャイルドレーベルの名物プロデューサー・大月俊倫氏をもって「その才能に驚いた」と語る圧倒的な歌唱力により、ヒット作の主題歌を次々と担当。
林原が声優アーティストとして活動する一方で、1994年に声優専門誌の『声優グランプリ』と『ボイスアニメージュ』が創刊。声優のアイドル化が進む中、國府田マリ子と椎名へきるが、そのルックスや自身のキャラクター性で男性アニメファンを中心に圧倒的な支持を集めることとなる。
2人の活躍時期は林原の成功とほぼ同時期であり、当然のように歌手活動もおこなっており、國府田マリ子はNHK『みんなのうた』の放送曲となった7thシングル『雨のちスペシャル』など、その優しい歌声で女性ファンにも支持されていくこととなる。椎名へきるも後にオリコンTOP10入りを果たし、声優としては初となる日本武道館でのコンサートを開催するなど、声優の歌手活動としては林原と同等かそれ以上の成功を収めるが、一方で声優としての活動が減少し、アーティスト活動が中心になっていったことで一部のアニメファンからの支持を失うことになる。
その後、國府田マリ子や椎名へきるの人気を受け、堀江由衣や田村ゆかりがアイドル声優として人気を博すようになる。堀江、田村ともにキングレコードスターチャイルドレーベルの所属アーティストでもあり、同レーベル提供のアニメでヒロインを演じつつ、主題歌を歌うと言ったスタイルで、長きに渡って活躍を続けることとなる。
堀江は、2012年に7thアルバム『秘密』でオリコンアルバム週間チャート3位にランクイン。田村は、椎名へきる、水樹奈々に続き、声優としては3人目となる日本武道館でのコンサートを開催している。
90年代は圧倒的な才能を誇る林原の成功をきっかけに、林原を歌手として世に送り出したキングレコードスターチャイルドレーベルによって確立された「提供作品と主題歌を絡めてプロデュースする」といった手法により、多くのアイドル声優が歌手活動を積極的におこない始めた時代といえる。元々歌手としての訓練を積んでいた水樹奈々もまた声優としての活動をスタートさせ、2000年に歌手デビューを果たしている。
(ミュージックシーンを席巻する声優アーティスト!その成功の秘訣とは!?【パート3】に続きます。
文/東藤七瀬

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