車いすテニスの国別対抗戦、そのジュニア日本代表を紹介

車いすテニスの国別対抗戦、「2021BNPパリバ・ワールド・チーム・カップ」が9月27日~10月3日、イタリアで開催となる。そのジュニアクラスの日本代表に選ばれた小田 凱人(岐阜インターナショナルテニスクラブ/ジュニア世界ランク1位) 、髙野頌吾(トップアスリートグループ/同10位)、川合雄大(高崎テニスクラブ/同38位)は、いわば日本の未来のスター選手たち。
男女とも世界トップクラスの車いすテニス選手を抱える日本だが、その次世代は彼らと言ってもいいだろう。

そんな車いすテニスの未来を担う3選手からの奮闘記が、テニスクラシックに掲載されることに。まずは、イタリアに旅立った3人からの挨拶を掲載したい。

2021BNPParibasWorldTeamCupイタリア大会
■日程:2021年9月27日(月)~10月3日(日)
■場所:イタリア
■代表選手・スタッフ
●監督:中澤吉裕
●男子クラス/コーチ:三浦雄一、選手:三木拓也/荒井大輔/鈴木康平/藤本佳伸
●女子クラス/コーチ:遠藤義文、選手:上地結衣/大谷桃子/田中愛美/高室冴綺
●クアードクラス/コーチ:森智広、選手:菅野浩二/川野将太/宇佐美慧
●ジュニアクラス/コーチ:中澤吉裕(監督兼任)、選手:小田凱人/髙野頌吾/川合雄大
●トレーナー:馬場歩/宇治野藍/山口智也、マネージャー:佐藤慶/佐々木留衣、看護師:木下敦子(JPC派遣)

連載 : 車いすテニスTOPICS<そのおもしろさ、難しさ、奥深さを紹介>

小田凱人
■所属:岐阜インターナショナルテニスクラブ
■ジュニア世界ランク1位

高いチームワークで
世界No.1を狙います!

こんにちは。小田凱人です。
今回世界ジュニアワールドカップ日本代表に選ばれました。メンバーは僕も所属するトップ・アスリート・グループの3選手です。メンバーとは過去に何度も練習や試合をしてきましたが、今回は同じチームとして戦うことになります。

プライベートでもメッセージを送り合ったり、電話をしたりしているので、かなりチームワークは高いと思っています。今までに経験のない団体戦となるので、また新しい経験ができると思っていてモチベーションは上がっています。もちろん、狙うのは世界No.1です。実際、今の日本チームの実力を考えれば、世界No.1になれる可能性は決して低くはないと感じています。
世界にはレベルの高い同世代の選手もいますが、高いチームワークで必ず勝ち切ります!!

また、今大会は自分がジュニア世界ランキング1位として臨む大会となります。今まで以上に負けられない立場となりますが、チャレンジャー精神を忘れずに挑みたいと思っています。皆さん、応援よろしくお願いします。

日本車いすテニス界の次世代、小田、髙野、川合が国別対抗戦で世界に挑む

Profile/9歳で骨肉腫を発症。左足が不自由になったため、大好きだったサッカーをあきらめ、車いすテニスの世界へ。そのきっかけは、国枝慎吾(ユニクロ)選手の活躍を病床で見て、心動かされたから。2019年の楽天ジャパンオープン出場時には、その国枝から「将来日本を背負っていく選手になる」と太鼓判を押されている。世界ジュニアチャンピオン、世界ジュニアランキング1位という目標を共に史上最年少で達成した今では「国枝選手に勇気づけられたように、自分も、病気で苦しんでいる誰かの希望になりたい」と願い、史上最年少での世界ランキング1位を目標に日々練習に励んでいる

髙野頌吾
■所属: トップアスリートグループ
■同10位

昨年1月以来となる大会
全力で挑み、優勝をつかみ取りたい

はじめまして、髙野頌吾です。
僕は6歳の時に車いす生活となりましたが、元々スポーツをすることが好きだったので、車いすテニスでもできるスポーツはないかと探し始め、並行して2か月に一回、東京のリハビリ施設にも通うようになりました。そこで出会ったのが国枝慎吾選手です。

国枝さんからは、車いすテニスの魅力をたくさん教えていただきました。それだけでなく、「福岡のジャパンオープンを見に来てほしい」と誘っていただいたのも、すごくいい思い出です。
そして6歳の時、福岡県飯塚市で開催されたジャパンオープンで国枝選手のプレーを見て、“こんなにもかっこいい競技があったなんて知らなかった”、 “自分もやってみよう”と思ったのが、車いすテニスを始めたきっかけです。

僕自身、大会に出場するのが2020年の1月以来となります。ですが、全力で挑み、ワールドチームカップで優勝を掴み取りたいと思います。応援よろしくお願いします。

日本車いすテニス界の次世代、小田、髙野、川合が国別対抗戦で世界に挑む

Profile/6歳の時に新型インフルエンザに感染。人工心肺装置を装着し、3日間生死の境目をさまよう。結果、インフルエンザ由来の呼吸不全、心筋炎に併発した脊髄梗塞による両下肢の機能全廃と診断され、車いす生活に。その後、東京のリハビリ施設で国枝慎吾選手と出会い、大会でそのプレーを見たことがきっかけとなり、「自分も国枝さんのようになりたい」と思ったところから車いすテニスのプレーを始めた。

川合雄大
■所属: 高崎テニスクラブ
■同38位

チーム一丸となり
優勝して帰ってきます

皆さん、こんにちは。車いすテニスの川合雄大です。
私は二分脊椎という障害を持っており、生まれつき足がほとんど動きません。幼いころからなので、“なんで自分は他の子と違うのだろう”と思っていたこともありました。


そんな時、母親に誘われ車いすテニスの体験会に行きました。その時の衝撃はすごかったです。全力でタイヤを漕いで全力で打つ。車いすでもこんなに動けるんだ! と当時は夢のように思いました。それと同時にもっと強くなりたいと思うようになりました。

これが私と車いすテニスとの出会いです。ここから練習を重ね、中学1年生の時には日本ジュニアランキング1位となり、中学2年生からはシニアの大会に出始め、日々練習を積んでいます。そして、今回、ワールドチームカップの日本代表に選んでいただきました。ジュニアクラスですが、日本を背負っている事に変わりはありません。しっかりとチーム一丸となり、優勝して帰ってこようと思います。皆さん応援よろしくお願いします!

日本車いすテニス界の次世代、小田、髙野、川合が国別対抗戦で世界に挑む

Profile/先天性の二分脊椎という障害のため、生まれつき足が動かなかった川合。車いすテニスと出会ったきっかけは、母親に誘われて参加した体験会にて。
そこで車いすテニスに衝撃を受けて夢中に。中学1年時には日本ジュニアランキング1位に。中学2年生からはシニアの大会に出始め、以来、日々練習に励んでいる。

連載 : 車いすテニスTOPICS<そのおもしろさ、難しさ、奥深さを紹介>
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