現地11月15日、今年のATPツアーの締めくくりとなる上位8選手による最終戦「Nitto ATPファイナルズ」(イタリア・トリノ/11月14~21日)2日目、グリーングループのノバク・ジョコビッチ(セルビア/世界ランク1位)は、今シーズン最多タイ5勝を挙げているキャスパー・ルード(ノルウェー/同8位)と対戦。7-6(4)、6-2のストレートで勝利し、6度目の優勝に向けていいスタートを切った。
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ノルウェー人初のツアー最終戦出場を果たしたルードは、絶対王者ジョコビッチの出鼻をくじく。
第1セット第1ゲーム、ジョコビッチのミスを引き出して30-40とブレークチャンスを迎える。ここでジョコビッチは、フォアハンドでアプローチショットを放って前に出ていく。ところがコート中央でスプリットステップを踏んだ時に足を滑らせて転倒。すぐに立ち上がってなんとか1球を返したものの、続くボールを返せず。ルードがいきなりブレークに成功する。
第1ゲーム、第3ゲームとファーストサーブが不調だったジョコビッチだったが、1-3で迎えたサービスゲームで5本中4本のファーストサーブを入れてキープ。すると、直後の第6ゲーム、リスクを犯してリターンを叩いてラリーの主導権を握ると15-40で、ルードがダブルフォールト。ブレークバックに成功する。
その後、ジョコビッチはプレッシャーをかけ続けるが、ルードもなんとかキープを続けてタイブレークへ。互いに2本ミニブレークを奪い合うと5-4から、ジョコビッチがルードのサービスを2本破って7-6(4)でセットを先取する。
するとジョコビッチは、正にいつもどおりの強い姿に。
スタッツに注目するとルードはジョコビッチより5本多い26本のウィナーを記録しているが、アンフォーストエラーはジョコビッチより10本多い25本となっている。第2セットはファーストサーブを95%(18本中17本成功)入れて15ポイントを奪取し、アンフォーストエラーも5本とミスが少なかったジョコビッチは、5本以内のラリーで43-30とルードを圧倒している。
試合後、史上最多7度目の年間1位のセレモニーで、ブラッド・ドリューエット・トロフィーを掲げたジョコビッチは、「第1ゲームのブレークポイントでの転倒からうまく戻ることができた。とても不思議な感じだったよ。フォアハンドがうまく打てて、ネットにも入っていけたのに滑って転倒し、ラケットを落としてブレークを許してしまった。ここのコート・コンディションは、けっこう厳しいね。ブレークを許すと、取り返すのも困難だ。それでも何とかカムバックできた。自分の試合運びにとても満足しているよ」とオンコートインタビューで答えた。
今大会に優勝すれば、ロジャー・フェデラー(スイス/同16位)の最多6度優勝に並ぶジョコビッチ。序盤こそ苦しんだものの、悪くないスタートを切ったと言っていいだろう。
Nitto ATPファイナルズ
日程/2021年11月14日(日)~21日(日)
開催地/イタリア・トリノ:パラ・アルピツアー
賞金総額/725万ドル(約8.3億円)
ポイント/ラウンドロビン1勝:200ポイント、準決勝勝利:400ポイント、決勝勝利:500ポイント、無敗優勝:1500ポイント
サーフェス/室内ハード(グリーンセット)
試合球/ダンロップATP