ロシア、ベラルーシ両国選手のエントリー拒否をしたウィンブルドンが、決断の経緯を説明「最も責任ある決断をしたと信じている」

2つの理由で決断に至ったと説明したヒューイット氏

現地4月26日、ウィンブルドンを主催するAELTC(オールイングランド・ローンテニス・アンド・クローケー・クラブ)会長のイアン・ヒューイット氏が記者会見を開き、第135回大会の開催計画を発表。その中で、ロシア、ベラルーシ選手のエントリー拒否に至った経緯を説明し、「最も責任ある決断をしたと信じている」と語った。

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会見では、まずセンターコート100周年記念イベントと初めてミドルサンデー(7月3日)に試合が組まれることなど、2022年大会の特筆事項について発表すると、エントリー拒否について触れる。

「これはテニスをはるかに超えた極端かつ例外的な状況だと考えている。ロシアがウクライナ侵略を続けていて、何百万人の命という壊滅的な被害が生まれ、140カ国を超える国々がロシアを非難。政府、産業界、スポーツ界、そしてクリエイティブな機関は、ロシアの世界的な影響力を制限する努力をしている」と切り出したヒューイット氏。

続いて「その対応の一環として、イギリス政府は、ロシアの影響力を制限することを目的に、国内のスポーツ団体やイベントに対する方向性を定めた。国を代表する機関であり、注目度の高いイベントを運営する私たちは、その方向性を考慮しなければならない。またランキングだけに基づいて、ウィンブルドンに自動的に参加することを認めているわけではなく、様々な要素に照らして慎重に検討した結果、私たちは2つの確固たる結論に達した」と経緯を説明。

そして「第一に、仮にロシアとベラルーシの選手のエントリーを受け入れたとしても、彼らのウィンブルドン出場、成功が、ロシア政権のプロパガンダに利用される危険性があり、受け入れられないということだ。第二に、私たちには、選手やその家族の安全や福祉を危険にさらすような行動を取らないことを保証する義務がある。恐ろしい戦争の結果、罪のない多くの人々が苦しんでいる。このような状況下で、最も責任ある決断をしたと信じている。本当に悲劇的な状況下で下した決断に、政府が示した方向性の枠内で実行可能な代替案はない」と決断を下した理由を語った。

4月20日にウィンブルドンがロシア、ベラルーシ両国の選手のエントリー拒否を発表して以降、ATP(男子プロテニス協会)、WTA(女子テニス協会)、男子世界ランク1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)、同8位でロシアのアンドレイ・ルブレフ、WTA創設に携わった一人、ビリー・ジーン・キング氏など、批判の声が多くあがっている。