短期練習プログラムに参加!
前編では施設など練習環境を紹介
スペインには数多くのテニスアカデミーが存在する。中でもトッププロが育ったアカデミーは人気があるが、その中の一つであるアリカンテの「40(15 Club Deportivo(“Deportivo”とはスペイン語で“スポーツ”という意味)」の短期練習プログラム(14~18歳までのコンペティション部門)を1週間ほど体験。
【画像】40(15クラブ・デポルティーボの施設の様子が分かる写真はこちら
デミノーが育ったアットホームなアカデミー

アカデミーには幼い頃のデミノーの写真が飾ってあり、デミノーがここで長い間プレーしてきたことがうかがえる
「40(15 Club Deportivo(以下40(15クラブ・デポルティーボ)」は、アレックス・デミノー(オーストラリア/世界ランキング24位)のコーチが2008年に創設したアカデミーだ。アカデミーには14歳から18歳までの「コンペティション」という部門があり、ヨーロッパをはじめ世界各地のツアーを回りながら活動している。さらに下の年齢層でも、12歳以下でスペインでのランキングが4位の選手などが在籍している。プロの選手としては、デミノーの他にもアレクセイ・ポピュリン(オーストラリア/同83位、自己最高59位)や女子のキャロライン・ガルシア(フランス/同75位、自己最高4位)、ナディア・ポドロスカ(アルゼンチン/同177位、自己最高36位)といった選手たちがこのアカデミーでトレーニングを積んだ。
気候がよく、フランスや南米などから練習相手を求めてさまざまな強豪選手が集まり、レベルの高いトレーニングを行っている。アカデミーでは多くのトップ選手は午前中に練習し、午後は初心者の子どもや大人向けのレッスンも行われている。

コートを見下ろすテラス。とても居心地がいい
コーチの多くはATPランカー
●プロとして活躍した経験があるコーチ陣
このアカデミーは、在籍するコーチの質も高い。元世界ランキング100位をマークした男性コーチや200位台だったコーチもおり、ツアーに精通している。実際にコーチは多くのツアーで選手を帯同しており、フレキシブルに動いてくれるのも魅力だ。
●ジムにはフィットネスコーチが常駐

青い建物がジム。
この40(15クラブ・デポルティーボにおいても、フィットネストレーニングは非常に重視されている。ジムの中だけでなく、坂を使って走ったり、外で縄跳びをしたりするなどのトレーニングも行われる。複数名のフィットネストレーナーが順番で常にジムに常駐し、選手のサポートをしている。
3時間のオンコートでの練習が終わった後、アカデミー内にある坂を下から上まで25回走るというトレーニングを課せられたこともあり、選手たちはなかなか厳しいメニューをこなしていると言えそうだ。

トレーニングに使われる坂
ノリーなどトップ選手も練習に訪れる
試合の合間には、当然デミノーがアカデミーに戻ってくる。デミノーだけでなく、キャメロン・ノリー(イギリス/同12位)やデミノーと同郷のジョン・ミルマン(同86位)、ジョーダン・トンプソン(同68位)らも訪れているようだ。また、デミノーの彼女であるケイティー・ボールター(イギリス/同127位)を通じて、イギリスの選手が多数訪れているという。
雨が非常に少ないアリカンテの気候は、テニスをするのにとても適していると言える。多くの選手がこの土地で練習したいと望むのも納得だ。
休憩できるレストランがある

少し古く見えるが、味のあるいいレストラン。中にはバーもあり夜はビールを飲むことも可能
アカデミーのコンペティション部門に所属している選手のうちの何人かは、アカデミーが提携しているオンラインスクールに通っている。午前の練習後にレストランの中や外にある休憩所で勉強をしている選手を見かけた。
雨天が少ないアリカンテでは、日本では雨季に当たる今の時期であっても、このように開放的な場所で過ごすことが可能だ。

選手が集う休憩所。Wi-Fi完備
レストランでは、ピザが6ユーロ、サンドイッチが3ユーロで販売されている。濃いめのコーヒーは1杯1ユーロ。朝飲んだら一瞬で目が覚めそうだ。

さまざまな味が楽しめるピザ

1杯1ユーロの濃いめのコーヒー
レストランの中には、手作りのアクセサリーが販売されている。値段は1ユーロから2ユーロ程度のため、気軽に購入することができる。

店内で販売されている手作りネックレス
練習後はコートのすぐ横にあるプールを楽しめる!
コートのすぐ横に設置されたスイミングプールは、練習後の選手が気軽に利用している。朝でも夕方でも気温が高いアリカンテでは、スイミングを楽しむことができる。
暑い中、思い切り練習をした後にプールに飛び込んだら、さぞ気持ちがいいに違いない。その他にも子どもが遊べる遊具が置かれていて、選手の帰りを待つ子どもたちが遊んでいた。

コートのすぐ横にあるプール。

自由に遊べるバウンシングキャッスル
以上、前編では主にどのような施設なのか、練習環境について述べた。後編では、実際にどのような練習やトレーニングを行っていたのか練習内容について、そして40(15クラブ・デポルティーボでのトレーニングを考えている方に向けて、滞在するにあたり気になったところや、同じスペイン・アリカンテにある「JCフェレーロ・アカデミー」との違いなどについて紹介する。
〈後編へ続く〉