7月6日、ウィンブルドン男子シングルス準々決勝、第2シードのラファエル・ナダル(スペイン/世界ランク4位)は、第11シードのテイラー・フリッツ(アメリカ/同14位)と対戦。腹筋を痛めながらプレーしたナダルは、3-6、7-5、3-6、7-5、7-6[10-4]とフルセットの末に勝利。
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3年ぶり出場のナダルは、1、2回戦で1セット落としたものの、3、4回戦はストレート勝利で8強入り。対するフリッツは、今大会すべてストレート勝利と好調だ。両者は、今年3月のATPマスターズ1000「インディアンウェルズ大会」の決勝で対戦。当時、開幕から21連勝中のナダル(準決勝で肋骨を負傷し大会後に疲労骨折と判明)だったが、攻撃的なプレーを展開したフリッツが勝利している。
試合はフリッツのサーブからスタート。ナダルは、軌道の高いボールを使ってミスを引き出すと、いきなりブレークに成功する。出ばなをくじかれたフリッツは、第3ゲームをキープするとプレーがレベルアップ。第6、第8ゲームで連続ブレークに成功し、1-3から5ゲーム連取でセットを先取する。
第2セット、先にブレークしたナダルだが、ショットが安定せず。第5ゲームでブレークバックを許す。
4回戦後の記者会見でナダルは、腹筋に貼られたテーピングについて問われ、「今はそのことについて話したくない。大会中なので対戦相手に敬意を表する。僕はただ毎日ベストを尽くすだけ。今のところ健康なので望む結果のために戦い続けるよ」と答えている。
プレー再開後もサーブのスピードは上がらないナダル。それでもストロークのキレがアップし、なんとかキープを続けると6-5で迎えたリターンゲームでブレークし。7-5でセットを取り返す。しかし、第3セットはフリッツが6-3で取り返す。
第4セットは開始3ゲームがブレークという展開に。ナダルのサービスゲームとなった第4ゲームもピンチを迎えるが、ドロップショットを活かしてキープに成功。
その最終セットは、この試合を象徴するかのように拮抗した展開に。第6ゲームでナダルがブレークするが、直後にフリッツが奪い返す。そのまま、勝負の10ポイントタイブレークに突入する。1ポイント目、まずナダルがミニブレークに成功する。その後、互いに2本ずつミニブレークを奪い合う。
ナダルの2-5で迎えた8ポイント目、フリッツは初めてサーブをキープしたが、直後にミスが出てミニブレークを献上。2ポイントリードしたナダルは、さらに1本サーブを破ってマッチポイントを迎える。9-4で迎えたサービス、ナダルはセンターにサーブを入れて、3球目をフォアハンドのウィナー。
オンコートインタビューでナダルは、「みんなの前で、こういう試合ができることがとても楽しいよ。応援してもらってありがとう。素晴らしいプレーヤーとのタフな試合になった。テイラーは、今シーズンずっと素晴らしい活躍を見せている。決して楽な試合ではなかった。準決勝に進出できたことは素晴らしいことだよ」と大観衆の前で良い試合ができてうれしいとコメント。
腹筋の状態については「正直なところ、良くはない。サーブの打ち方を少し変えなければならなかった。試合中、最後までプレーできないんじゃないかと思った。だからこそ観客の皆さんのエネルギーに感謝している」と決して良い状態ではないと語っている。
続く準決勝、ナダルはニック・キリオス(オーストラリア/同40位)と対戦する。
■ウィンブルドン2022
[THE CHAMPIONSHIP WIMBLEDON]
・大会日程/2022年6月27日(月)~7月10日(日)
・開催地/イギリス・ウィンブルドン:オールイングランド・ローンテニス・アンド・クローケー・クラブ(時差8時間)
・賞金総額/4,035万ポンド(66億6,160万円)
・男女シングルス優勝賞金/200万ポンド(3億3,030万円)
・サーフェス/グラス(芝)コート
・TV中継・放送予定/WOWOW、NHK
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