ポリエステルの各世代メリットがついに「融合」のときを迎える


1990年以前にも「とにかく切れない」というだけのポリエステル系は存在したが、トッププロが使い始めてから第1世代~第5世代まで、ポリ系ストリングはさまざまに性能を進化させてきた。

▶テニスクラシックオンラインストア(公式通販ショップ)のソリンコ「MACH-10」はこちら

打感は硬いが豪打での「瞬発的パワー」に長け、表面の硬さゆえに「スピン性能」が高い。
競技系ハードヒッターにはメリットが大きかったが、その性能を引き出すためには高速スウィングによる強烈な衝突(インパクト)が必要だった。

そこで登場したのが「ソフトな打感」モデルだったが、その分だけパワーが削がれる。ポリ系ストリングは「硬くて弾く」か「豪打でなくてもソフト」か…。二者択一を迫られていたが、2009年からポリ系に取り組んだソリンコは挑戦を諦めず、ついに「二者満足」というポリ系新世界へ踏み込んだ。

『MACH-10』…成層圏を脱出して宇宙へ!多くのプレイヤーが待ち望んだ「快適パワー」

1929年、航空技師のヤコブ・アッケレートは、「流れ場のもつ慣性力の弾性力(流れを圧縮するのに要する力)に対する比」の数値としてマッハ数を発表した。それは、オーストリアの物理学者であるエルンスト・マッハ(Ernst Mach)名にちなんだものであった。

物体の流速が、音速の臨界状態を超えたときを「マッハ1」とし、超音速戦闘機が超音速に達したとき、まるで水面に突っ込むときの飛沫のように、空気の壁を突き破り、激しい衝撃波(音)が発生する。

一般に「音速は1225km/h」と言われるが、これは海面高度。標準大気での話。飛行機のマッハ計は、流体の圧縮性の影響を求めるための計器であり、飛行している空間の音速との比率で決まるため、飛行高度によってマッハ数は変化する。ちなみに旅客機のボーイング787の上空における巡航速度は「マッハ0.85」とされる。

人類はもう、100年近くも超音速への挑戦を続けてきた。
人間が登場する乗り物は、最高速の壁を突き破ろうと、いく度もの失敗を重ね、音速を超えてもなお、「その先の限界」を超えようと挑んできた。

ソリンコの挑戦は、これに似ている。2009年にテニスストリング業界に参入という後発ブランドでありながら、15年間のうちにポリエステル系の大人気シリーズ『TOUR BITE』『Hyper-G』を世に送り出してきた。それでもプレイヤーは、ポリエステル系は「打感は硬いが飛ぶ」か「打感が柔らかい分だけロスパワー」のどちらかを選ばなければならなかった。

言ってみれば、そこがポリエステル系の「大気圏内」と、受け容れざるを得なかったが、ソリンコのメタルブルーのパッケージが、成層圏を突き抜けて、限界突破に成功。

「ポリエステルには無理」と言われていた『限界』を突き抜けた新次元ストリング ソリンコ『MACH-10』【MONTHLY TENNIS GEAR SELECTION TENNIS EYE】


「快適な打球感」でありながら、「パワー」を失うことなく、「高いスピン性能」は保つ。ソリンコには『HYPER-G』『HYPER-G SOFT』『HYPER-G ROUND』という大ヒットモデルがあるが、それぞれが固有する「パワー」「ソフト」「スピン」性能を併せ持った奇跡のポリが『MACH-10』だ。

その打球フィーリングをひとことで示すなら…「コンフォート(快適)」。
「硬い衝撃感がない」「パワフルに飛んでくれる」「スピードが落ちずにスピンがかかる」。こうした感覚的三位一体が“快適”という評価を生んでいるようである。

「ポリエステルの壁」を突き抜けてみせた『MACH-10』。「快適なポリってどんなの?」を、体感してみてほしい。


「ポリエステルには無理」と言われていた『限界』を突き抜けた新次元ストリング ソリンコ『MACH-10』【MONTHLY TENNIS GEAR SELECTION TENNIS EYE】


SOLINCO<ソリンコ>『MACH-10』
●太さ:1.15mm、1.20mm、1.25mm、1.30mm
●材質:CO-ポリエステル
●カラー:セルリアンブルー
●品番:KSC790(単張)、KSC790R(リール)
●長さ:KSC790/12.2m、KSC790R/200m
●価格:KSC790/3,190円(税込)、KSC790R/39,600円(税込)

【毎日セール開催中!】テニスクラシックオンラインストア(公式通販ショップ)はこちら

▶【関連記事】オーバーグリップなんかもういらない!サラサラなのに滑らない「天然皮革グリップ」の新世界【MONTHLY TENNIS GEAR SELECTION TENNIS EYE】

文=松尾高司
1960年 生まれ。『月刊テニスジャーナル』で 26年間、主にテニス道具の記事を担当。試打したラケット2000本以上、試し履きしたシューズ数百足。「厚ラケ」「黄金スペック」の命名者でもある。テニスアイテムを評価し記事などを書く、おそらく世界で唯一のテニス道具専門のライター&プランナー。
編集部おすすめ