ジョコビッチ、史上最多25度目のグランドスラム制覇へ好発進
「全仏オープン」(フランス・パリ)男子シングルス1回戦が5月27日に行われ、第6シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア/世界ランク6位)はマッケンジー・マクドナルド(アメリカ/同98位)を6-3,6-3,6-3で下して2回戦に進んだ。
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38歳のジョコビッチは、前週行われた「ジュネーブ・オープン」(スイス・ジュネーブ/ATP250)でツアー通算100度目のタイトルを獲得。
クレーコート・シーズンの集大成となる全仏オープンに弾みをつけた。
同大会は2005年から21年連続出場。過去3度(2016、2021、2023年)の優勝があり、2年ぶりのタイトルを狙う。
悲願の金メダルを獲得したパリ五輪以来となるローラン・ギャロスに戻ってきたジョコビッチの初戦の相手はマクドナルド。初顔合わせとなった試合は、両者落ち着いた立ち上がりを見せる。雨で屋根を閉めるか度々中断される中で、ジョコビッチがワンチャンスを活かして第6ゲームでブレーク。6-3でセットを奪う。
決め球でのミスが出るものの、要所を締めていくジョコビッチ。第2セットも第1ゲームでリードし、試合を優位に運んで6-3。第3セットも手にしたチャンスを逃さずにブレークすると、その後も付け入る隙を与えず6-3。ストレート勝ちを収めて、21年連続で2回戦に進んだ。
「最後にコート・フィリップ・シャトリエでプレーしたのはオリンピックの決勝戦だったので、素晴らしい記憶が蘇った。
でも、試合の序盤は風や雨など、かなり難しいコンディションだったね。だから、リズムを掴むのに少し時間がかかってしまった。ジュネーブとはまったく違う条件だったよ。全体的にはソリッドな試合だった。6-3が3回。常にもっと良くできるけれど、初戦としては満足している」と振り返った。
2回戦では、コランタン・ムーテ(同73位)とクレメント・タビュール(同280位)の勝者で、どちらが勝っても地元フランス勢との対戦。アウェイの中での戦いとなり、「特にパリでは、他の大会と比べて観客が声を出す。熱狂的でエネルギーもすごい。選手にとってはそれが鬱陶しく感じることもあるだろう(笑)」と簡単ではないという。
「理想的な環境ではないかもしれないが、それに対処する準備は必要だ。これまでのキャリアの中で多くのアウェイで戦ってきたので経験はある。
ローラン・ギャロスでフランス人選手と対戦すれば、ほとんどの観客がフランス人選手を応援するだろう。でも、もし誰かが一線を越えるようなことをしたら、自分を守る必要がある。ヤジを飛ばす人は少数派だと思うけど、僕もこれまで何度か経験していて、無視する時もあるし彼らと向き合う時もある。コートの上では、相手選手だけでなく観客とも戦いになる」
「歴史や記録を築き、このスポーツで偉大なことを成し遂げること」をモチベーションに戦うジョコビッチ。今大会を制すことができれば史上最多25度目のグランドスラム制覇とまた一つ偉業を作ることとなる。アウェイの中でどのようなプレーを見せるだろうか。
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