ドレイパー、18歳フォンセカに完勝し4回戦へ
「全仏オープン」(フランス・パリ)男子シングルス3回戦が5月31日に行われ、第5シードのジャック・ドレイパー(イギリス/世界ランク5位)はジョアン・フォンセカ(ブラジル/同65位)を6-2,6-4,6-2のストレートで下して、4回戦進出を果たした。
【動画】世界5位ドレイパー、18歳フォンセカに完勝で大会初のベスト16
23歳のドレイパーは昨年の全米オープンで4強入り。
今季は3月のATPマスターズ1000インディアンウェルズでタイトルを獲得した。そして、昨年まで苦戦していたクレーコート・シーズンでも、マドリードで準優勝、ローマでベスト8という成績を残している。
全仏オープンは3年連続3度目。これまで初戦敗退だったが、1回戦でマッティア・ベルッチ(イタリア/同68位)を下して同大会初勝利を挙げると、2回戦でもガエル・モンフィス(フランス/同42位)を破っている。
3回戦では今年2月のATP250ブエノスアイレスでツアー初タイトルを獲得し、期待の18歳であるフォンセカと対戦。
第1セット、パワフルなショットで押し込もうとするフォンセカに対し、ドレイパーも打ち負けずにしっかり対応。丁寧なショットで広角に打ち分けていく。次第にフォンセカのミスが増え始め、ドレイパーが2度のブレークに成功。6-2でセットを奪った。
第2セットも攻守にわたってメリハリの利いたプレーを続けるドレイパー。コースを突いたサーブで順調にサービスキープすると、チャンスが訪れた第7ゲームで逃さずブレーク。力で押し込もうとするフォンセカの攻撃をしのいで6-4でセットを連取した。
2セットアップとして余裕も生まれ、第3セットも一気に流れを引き寄せて4-0に。そのまま6-2と、フォンセカに良いところを引き出させずに完勝しベスト16入りを果たした。4回戦ではアレクサンダー・ブブリク(カザフスタン/同62位)と対戦する。
試合後、「厳しいコンディションだったけど、最初から調子よく入れたし、試合を通してレベルがあまり落ちなかった。第2セットを締めるときに少しぐらついたけど、それ以外は良い内容だった。相手は将来有望な選手だしね」と満足感が高い試合だったと話した。
ドレイパーはグランドスラム初の本戦となった2021年ウィンブルドン1回戦でノバク・ジョコビッチ(セルビア)に跳ね返され、数年かけて安定した成績を残し始めている。対して、フォンセカは2度目のグランドスラムで3回戦まで進み、ドレイパーも「18歳なのにすごい。彼が将来成し遂げることを考えると怖いくらい」と能力を買う。
その上で何が足りないのか。グランドスラムで勝ち上がるにはフィジカルが必要だと話し、加えて「トップ選手に勝った経験がないと『何か特別なことをしないと勝てないのではないか』と思ってしまって、逆に力んだりする。今回のジョアンも攻撃的にきたけど、僕はフィジカルに自信があるし何本でも粘ることができる。
そうすると、やりすぎてしまうんだよね。結局は経験。多くのトップ選手と対戦していくことで自信が増し、『自分にもできる』と思えるようになるんだ」と、ペース配分の見極め、そしてその成功体験が必要だとした。
フォンセカも「このスポーツで良い結果を出したいなら、こういったレベルの選手と戦う必要があると感じた。早い段階でブレークされ、彼は自分のプレーをしてきた。彼に余計なことを考えさせることができなかったのが今日のポイント。まだまだ学ぶことはたくさんある」と、ただの敗戦として終わらせない。
「ジャック(ドレイパー)がすごいと思ったのは、試合の入り方、インテンシティ、大事なポイントでのプレーの仕方。ラインのギリギリを狙うわけではないけど、攻撃的に、そして必要な時にしっかりショットを決めてくる」とトップ5の戦いぶりに感服した。
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