34歳パブリチェンコワが地元イギリス勢を破って8強
「ウィンブルドン」(イギリス・ロンドン)女子シングルス4回戦が7月6日に行われ、アナスタシア・パブリチェンコワ(世界ランク50位)が、地元イギリスのソネイ・カータル(同51位)を7-6(3),6-4で下し、同大会9年ぶりのベスト8入りを果たした。
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34歳のパブリチェンコワは、これまでグランドスラムで通算9度のベスト8入り。
それでも復帰後は安定した成績を収めて20位台に。今年1月の全豪オープンでベスト8入り。これからという時だったが、今年2月には疲労感や発熱、頭痛などの症状が現れるライム病と診断された。
クレーコート・シーズンは3大会に出場し1勝しか挙げられず厳しい戦いとなったが、芝の地で躍動している。前哨戦では4強入りし、今大会では初戦でアイラ・トムヤノビッチ(オーストラリア/同79位)を4-6,6-3,6-2、2回戦で第31シードのアシュリン・クルーガー(アメリカ/同31位)を7-6(4),6-4、3回戦で大坂なおみ(フリー/同53位)を3-6,6-4,6-4で破り、4回戦に進んだ。
この日は、地元イギリスのカータルと対戦。試合は、序盤から互いにリターンゲームでチャンスを作ってブレーク合戦。パブリチェンコワは、4-4の第9ゲームでカータルのショットが明らかにアウトだった。しかし、電子ラインコールが正常に作動しなかったとポイントのやり直しに。
それでも次ゲームではフォアハンドで押し込んで、セットポイントをしのぎブレークバックすると、そのままもつれたタイブレークも制して第1セットを先取した。
第2セットも序盤で互いにブレークし合ったが、2-2で貴重なブレークに成功したパブリチェンコワ。その後は危なげなくサービスキープを続け、最後は鮮やかなフォアハンドのウィナーを放ってゲームセット。2016年大会以来のベスト8入りを果たした。
試合後、「私にとって芝はキャリアを通してずっと難しいサーフェスだった。今日は本当にいいプレーができてうれしい。センターコートでの試合だったことを考えると、今日はとてもいい試合をしたと思う。今年初めてのセンターコートで、数年ぶり。強敵相手だったしね。簡単なポイントをくれなかったし、ずっと粘って1球1球にすごいプレッシャーをかけてきた。それによく対処できた」と語った。
また、第1セットの4-4で明らかにアウトにもかかわらず電子ラインコールが作動せず、ポイントのやり直しになったことについても言及。「インかアウトかの判定を期待していたのに、ただ『リプレイしてください』と言われた。あの場面はとても重要な瞬間だったから本当にやりづらかったわ」と率直な思いを口にした。
「私は別の判定を期待していたわ。主審がイニシアチブを取ってくれると信じていたの。彼が審判台に座っているのはそのためでしょう?実際、試合後に彼自身もアウトだったと私に言ってくれた。それならそうしてほしかったのに、彼はしなかった。相手が地元選手だからなのかなと思ってしまう部分もあった」
さらに「勝ったからもう議論する必要はない。すべてハッピー」としつつも、「この件は将来のために取り上げる必要があると思う。試合中、こんなことが重要な場面で起きたらサッカーのようにVARシステムとか、はっきりと分かる仕組みがあった方がいい。判定が曖昧なまま進むのではなく、みんなが納得できる方法が必要」と電子ラインコールを採用するにしても改善の余地があるともコメント。
「彼(主審)も大きな決断をするのが怖かったのかもね。
厳しい判定にさらされながらも勝利を収めてグランドスラム通算10度目の8強入りを果たしたパブリチェンコワ。準々決勝では、第13シードのアマンダ・アニシモワ(アメリカ/同12位)と対戦する。