ジョコビッチ 史上最多グランドスラム25度目の優勝へあと3勝


「ウィンブルドン」(イギリス・ロンドン)男子シングルス4回戦が7月7日に行われ、史上最多グランドスラム25度目の優勝を狙う第6シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア/世界ランク6位)は、第11シードのアレックス・デミノー(オーストラリア/同11位)を1-6,6-4,6-4,6-4で破り、同大会16度目のベスト8入りを決めた。

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38歳のジョコビッチは、今年5月に行われた「ジュネーブ・オープン」(スイス・ジュネーブ/ATP250)でツアー通算100度目のタイトルを獲得。
「全仏オープン」(フランス・パリ)では世界1位のヤニック・シナー(イタリア)に敗れてベスト4だった。

20度目の出場となるウィンブルドンは、7度の優勝(2011、2014、2015、2018、2019、2021、2022)を誇り、新型コロナウイルスの影響で実施されなかった2020年大会を除き、2018年から6大会連続で決勝に進出している。

全仏オープン以来、約1か月ぶりの実戦となった今大会。初戦でアレクサンドル・ミュレー(フランス/同41位)を6-1,6-7(7),6-2,6-2で破ると、2回戦でダニエル・エバンズ(イギリス/同154位)を6-3,6-2,6-0、3回戦でミオミール・ケツマノビッチ(セルビア/同49位)を6-3,6-0,6-4で破って4回戦に進んだ。

この日は、過去2勝1敗としているデミノーとの試合。序盤からデミノーが丁寧なショットだけでなく、しっかり攻撃も相手に見せてプレッシャーをかけていく。対するジョコビッチはアンフォーストエラーが多く、ダブルフォールトも4本と精彩を欠いた。計3度のブレークに成功したデミノーが6-1でセットを取り、先手を奪う。

続く第2セットもジョコビッチはデミノーの粘りを前にポイントを決めきれない場面が多い。ネットプレーも増やしたが、厳しいコースへの返球が多く、先にリードを奪ってもブレークバックされてなかなか流れに乗れない。

それでも3-3の第7ゲームでダブルフォールトやストロークのミスが重なったデミノーの隙を見逃さず、貴重なブレークに成功。苦しみながら6-4でセットを奪い返すと、力強いガッツポーズとともに雄叫びを上げた。


これで気持ちが楽になったか、ジョコビッチは第3セットでサーブのクオリティを上げてキープしていく。ストローク戦でデミノーにプレッシャーをかけていき、4-4の第9ゲームでのチャンスを活かしてブレークに成功し、そのまま6-4で奪取。

第4セットもデミノーの執念に押されて1-4とされたが、一気にギアを上げて5ゲームを連取しウィンブルドンでは16度目の準々決勝進出を果たした。

デミノーの堅実なプレーや風の強いコンディションによりスロースタートだったジョコビッチ。「最初のゲームでダブルフォールトを2回してサービスゲームを失った。タイミングも合わず、調子が悪かったよ。相手はそれを感じ取り、弱点を突いて色々変化をつけてリターンもすごく良かった」とデミノーのプレーが良かったと認める。

それでも、「正直、4セットで終えられてホッとしているよ。第4セットの始まりは第5セットにいきそうなほど接戦だった。そこからさらに集中し、最後の3ゲームは1ポイントしか落とさなかった。やりたいことができて、ボールをしっかり振り抜けた。本当に厳しい試合でした。
相手にはコート上で不快感を味わわされました。この試合を乗り越えられたのは運幸運だった」と安堵した。

史上最多グランドスラム25度目の優勝にあと3勝としたジョコビッチは、準々決勝で第22シードのフラビオ・コボッリ(イタリア/同24位)と対戦する。
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