サバレンカ、逆転勝ちで3度目のウィンブルドン4強


「ウィンブルドン」(イギリス・ロンドン)女子シングルス準々決勝が7月8日に行われ、第1シードのアリーナ・サバレンカ(世界ランク1位)が、ローラ・シゲムンド(ドイツ/同104位)を4-6,6-2,6-4の逆転で下し、2年ぶり3度目の準決勝に駒を進めた。

【動画】女王サバレンカ 老獪なテクニックを持つシゲムンドに苦戦も執念の勝利 マッチハイライト

27歳のサバレンカは、今年の全豪オープンと全仏オープンであと一歩及ばず準優勝。
昨年は肩のけがで欠場したウィンブルドンに2年ぶりの出場となった。

1回戦で予選勝者のカーソン・ブランスタイン(カナダ/同194位)、2回戦でマリー・ボウズコワ(チェコ/同48位)、3回戦でエマ・ラドゥカヌ(イギリス/同40位)、4回戦で第24シードのエリーゼ・メルテンス(ベルギー/同23位)をいずれもストレートで撃破。2022年の全米オープン以降、グランドスラム11大会連続で8強入りを果たしている。

この日は、準々決勝に進んだ選手のうち最もランキングの低い104位ながら、ベテランらしい老獪なテクニックで勝ち上がってきた37歳のシゲムンドと対戦。

試合序盤、シゲムンドがドロップショットやボールを速く捉えるなど、サバレンカを揺さぶりミスを引き出す。3ゲーム連取を許して出遅れたサバレンカはビハインドを挽回できず、4-6で第1セットを失った。

巻き返しを図りたいサバレンカは、ミスが出ながらも持ち味の攻撃的なテニスを見せる。第2セットは、2-2以降すべてのゲームでデュースにもつれたが、勝負所を押さえたサバレンカが4ゲームを連取してセットを奪い返す。

勝負の最終セットは、シゲムンドが先にブレークに成功。サバレンカは、一度は追いついたものの、シゲムンドのスライスに苦戦しミスを連発。3-3で再びリードを許してしまう。しかし、簡単に引き下がらないのが世界1位たるゆえん。
一気に集中力を高めてミスを減らし、プレッシャーのかかったシゲムンドから3ゲームを奪って、苦しみながらも2年ぶり3度目のベスト4入りを果たした。

試合後、「大変な試合だったわ。正直、自分がどうやって気持ちを保って、感情をコントロールして集中できたのかわからない。自分を誇りに思う」と語ったサバレンカ。「彼女のプレースタイルや時間の使い方に関しては準備はできていたし、精神的にも覚悟していた。でも、かなり苦しかった。彼女は賢いプレーをしていたし、私は多くのミスをしていた。だからこそ、第1セットが終わった後にリセットして立て直せたことがうれしい。第2セット中盤から自分のプレーが良くなって、どうすれば勝てるか明確になってきた」と振り返った。

また、シゲムンドのプレーは、「ココ(・ガウフ)に似ていた気がする」と全仏オープン決勝で逆転負けを喫した嫌な記憶を呼び起こしたという。

それでも、「全仏オープンでの教訓を得ていなかったら、今日は負けていた可能性が高いと思う。試合中、何度も自分に言い聞かせていたの。
『これはウィンブルドンの準々決勝よ。諦めちゃダメ。感情に支配されてまた負けるなんて絶対ダメだ』って」と自身を奮い立たせ、勝利をつかみ取った。

ウィンブルドンで2年ぶりとなる準決勝では、直接対決で3勝5敗と負け越している第13シードのアマンダ・アニシモワ(アメリカ/同12位)と対戦。「きっとアグレッシブな試合になる。今日の相手ほどスライスを使ってこないと思う。だから、全く違うタイプの試合になるわ。手ごわい選手で、これまで多くのタフな試合をしてきた。対戦が楽しみ」と語っている。
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