伊藤あおいが世界9位に逆転勝ちしWTA1000モントリオールで3回戦進出
女子ツアー「ナショナル・バンク・オープン」(カナダ・モントリオール/WTA1000)シングルス2回戦が現地7月29日に行われ、伊藤あおい(SBCメディカルグループ/世界ランク110位)が第7シードのジャスミン・パオリーニ(イタリア/同9位)を2-6,7-5,7-6(5)で破る金星を挙げ、3回戦進出を果たした。
【動画】伊藤あおい、キャリア初のトップ10撃破でWTA1000モントリオール3回戦進出 マッチハイライト
21歳の伊藤は、ツアーデビュー戦となった昨年10月の「木下グループジャパン・オープン」(大阪・うつぼテニスセンター/WTA250)でベスト4入りを果たすと、今季開幕戦となったWTA125キャンベラで優勝。
今大会1回戦では、ケイティ・ボリネッツ(アメリカ/同108位)を6-2,2-6,6-2で破り、WTA1000で初勝利を挙げた伊藤。2回戦では、2度のグランドスラム準優勝の経験があり、今季も5月のWTA1000ローマでタイトルを獲得している世界9位のパオリーニと対戦することとなった。
初めてトップ10と相まみえることとなったこの日の試合、伊藤は開始早々ブレークに成功したものの、サービスゲームでは常にピンチを迎えて2-6で第1セットを失う。第2セットも力のあるショットを放つパオリーニのペースで試合が進み、1-4とリードを広げられた。
しかし、ここから伊藤の反撃が始まる。フォアハンドのスライスでミスを引き出し、ブレークバックに成功。第10ゲームでのマッチポイントも守り切り、パオリーニの集中が切れると5-5で貴重なブレークに成功。7-5で第2セットを奪った。
思い切りよくラケットを振って攻撃するパオリーニに対し、伊藤はスライスやロブを使ったスローテンポのプレー、正確なパッシングショットや強打で対抗する。
最終セット、伊藤は先にブレークしながらも、パオリーニに挽回されてタイブレークに突入。6-5でマッチポイントを握ると、最後はパオリーニのセカンドサーブを叩いてリターンダッシュ。
「最初はぼろ負けしないようにと思って、4ゲーム取りたいと思っていた。けれど、セカンドセットで何とかとることができて、3セット目にタイブレークまでいけた。自分らしいプレーができたかなと思う」と試合を振り返った伊藤。
第1セットではアンフォーストエラーを10本に抑えて、伊藤のプレーに対応していたパオリーニだが、終わってみれば67本と第2セット以降に急増。「スライスとか(自分のプレースタイルは)上のレベルだとあまり見ないタイプ。逆に希少性が良かったんじゃないかな」と勝因を語った。
ベスト16入りをかけて3回戦ではジェシカ・ブザス・マネイロ(スペイン/同51位)と対戦する。