大坂なおみ、「ナショナル・バンク・オープン」でツアー8勝目ならず


女子ツアー「ナショナル・バンク・オープン」(カナダ・モントリオール/WTA1000)シングルス決勝が現地8月7日に行われ、大坂なおみ(フリー/世界ランク49位)は、ワイルドカード(主催者推薦)で出場のビクトリア・エムボコ(カナダ/同85位)に6-2,4-6,1-6で敗れ、4年半ぶりとなるツアー通算8勝目とはならなかった。

【動画】大坂なおみの鮮やかなバックハンドのダウン・ザ・ライン&マッチハイライト

27歳の大坂は、27日に昨年9月からタッグを組んできた名コーチのパトリック・ムラトグルー氏との契約を解消。
元世界2位のアグニエシュカ・ラドワンスカや元世界1位のイガ・シフィオンテクらを指導してきたトマス・ビクトロフスキー氏が、試験的にチームに加わった。

今大会、初戦で地元カナダのアリアナ・アルセノー(同515位)を6-4,6-2で下すと、2回戦ではマッチポイントを握られたものの、第13シードのリュドミラ・サムソノワ(同16位)を4-6,7-6(6),6-3で撃破。

勢いに乗り、3回戦で第22シードのエレナ・オスタペンコ(ラトビア/同26位)を6-2,6-4、4回戦でアナスタシア・セバストワ(ラトビア/同386位)を6-1,6-0、準々決勝で第10シードのエリーナ・スビトリーナ(ウクライナ/同13位)を6-2,6-2、準決勝で第16シードのクララ・タウソン(デンマーク/同19位)を6-2,7-6(7)で破り、決勝に進んだ。

決勝の相手は、第1シードのココ・ガウフ(アメリカ/同2位)や第9シードのエレナ・ルバキナ(カザフスタン/同12位)、第23シードのソフィア・ケニン(アメリカ/同27位)らグランドスラム優勝経験のある強敵を破ってきたカナダ期待の18歳・エムボコ。

第1セット、最初のリターンゲームでブレークに成功した大坂。その後は地元ファンの声援を受けるエムボコも調子を上げて、ベースライン上での激しい打ち合いとなるが、大坂が安定したパフォーマンスを披露。5-2で2度目のブレークに成功して6-2でセットを取った。

第2セットは立ち上がりから5ゲーム連続でブレークし合う。エムボコに揺さぶられてミスを引き出された大坂は、これまで通り粘り強い守備から攻撃に展開。しかし、エムボコの威力のあるフォアハンドが次々に決まり始めると、観客も熱狂。大坂は2-5とリードを許し、この差を埋めきれず4-6でセットを失った。

勝負の最終セットも大坂は第1ゲームでダブルフォールトが重なり、早くも追いかける展開。
一度は追いついたものの、攻守にわたってエネルギッシュなエムボコが再びリード。1-2での計4度のブレークポイントを逃した大坂は、流れを引き戻すことができず、そのまま5ゲーム連取を許して1-6と逆転負け。4年半ぶりのタイトル獲得とはならなかった。

大坂も含めて計4人のグランドスラム経験者を破った18歳のエムボコは、母国カナダでうれしいツアー初タイトル。ワイルドカードでの優勝は大会史上初のことである。
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