メドベージェフ、試合を左右した「ビデオレビュー」の経緯を説明


現地3月12日、男子ツアー「BNPパリバ・オープン」シングルス準々決勝、ダニール・メドベージェフ(世界ランク11位)が、ジャック・ドレイパー(イギリス/同14位)を6-1, 7-5で破り、準決勝へ駒を進めた。その快勝劇の裏で、第2セット終盤に起きたプレー妨害の判定が波紋を広げている。


【動画】ドレイパーの手の動きが妨害となりポイント覆る問題のシーン&マッチハイライト

問題のシーンは、第2セット5-5で迎えたドレイパーのサービスゲーム。0-15のラリー中にドレイパーが判定を巡り両手を挙げる仕草を見せた。メドベージェフはプレーを続行したものの、最終的にミスショットでポイントを失った。

ここでメドベージェフは即座に抗議するのではなく、主審に確認を行った。後の会見でメドベージェフはこう振り返っている。

「(ドレイパーの動きに)少し気を取られた。だから審判に『どうすべきか?次は(ポイントが終わるのを待たず)すぐに言うべきか?』と尋ねたんだ。すると彼女が『ビデオレビューもできる』と言ったので、それならとお願いした」

主審は映像確認の結果、ドレイパーの行為をヒンダランス(妨害)と認定され、判定はメドベージェフのポイントへと覆った。ドレイパーは0-30となり、挽回できずにサービスゲームを落とす。これが決定的なゲームとなり、メドベージェフが勝利を手にした。

メドベージェフは「彼女が下した判断を、私は受け入れただけだ」と、あくまでルールと審判の裁定に従った結果であることを強調した。

試合終了後、ネット際で握手を交わした両者は、この件について直接言葉を交わした。


メドベージェフが「もし怒っているなら申し訳ない」と切り出すと、ドレイパーは「いや、怒ってはいない。全くね」と即座に否定した。その上で、「ただ、あれが君の気を散らすのに十分だったとは思えない。僕が言いたいのはそれだけだ」と自身の見解を伝えた。

メドベージェフも「自分もいい気分ではない。ただ審判に確認を求めただけなんだ」と答え、ドレイパーは「わかっている。これは正当な判定だし、君は正々堂々と勝った。でも、十分な妨害だったとは思わない」と、メドベージェフの勝利は認めつつ、ルールの適用範囲への疑問を呈してコートを後にした。

一部で「不正」との声が上がったことに対し、メドベージェフは冷静に反論した。

「ものすごく気が散ったわけではないが、直後のフォアハンドが甘くなったのは事実だ。いい気分ではないが、不正をしたとも思わない。審判に判断を委ね、彼女がそう決めた。
キャリアを通じて自分に不利な判定は山ほどあった。たまに自分に味方する判定があるのは、悪い気はしない」

一方のドレイパーも、スカイスポーツのインタビューに対し、判定には納得がいかないとしつつも「ダニールの方がはるかに強かった。それが敗因ではない」と勝者を称えた。

後味の悪さが残る幕切れとなったが、メドベージェフは今大会1セットも落とさない盤石のテニスを続けている。準決勝では、カルロス・アルカラス(スペイン/同1位)と対戦する。

「コートは昨年より速く、ボールも違う。今のツアーで最もタフな相手に対し、自分のベストを見せるいいチャンスだ」と、メドベージェフは視線を次なる戦いへと向けた。

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