2022年2月16日(水)、都営三田線の新型「6500形」が報道公開されました。
同路線の主力である「6300形」1次車・2次車がじきに更新時期を迎えること、利用者が増え抜本的な混雑対策が必要となったことから、同路線では初となる「8両編成」の新型車両で置き換えることになりました。
最初の編成がデビューするのは2022年5月14日(土)。今年度末までに13編成を導入する予定です。余談ですが、2月現在、三田線では8両編成対応のためホームドアの更新・増設や駅施設の改修が行われており、デビュー後は6500形だけでなく、他社の8両編成も乗り入れを開始します。
コンセプトは「スマート+コンフォート」

6500形は「スマート+コンフォート」をコンセプトとする基本デザイン構想に沿って開発されており、その造形はスマートかつ無駄のない機能美を感じさせるものとなっています。
外観は先頭部も含めシンプルな箱型で、デザインが発表された頃からその形状が話題になっていました。行先表示器や前照灯なども「視覚的なノイズとなる要素を極力抑えた収まり」としており、優先席のマークなども見やすさに配慮して総合的に配置されています。


車内は袖仕切りや扉にガラスを多用し、明るく見通しの良いデザインに。色は外観同様に三田線のラインカラーである「ブルー」を用い、金属の素材感と組み合わせることで、車両全体での統一性を演出します。


座席は7人掛けから6人掛けに

置き換え対象である6300形の1次車・2次車にはクロスシートも設置されていましたが、6300形の3次車から廃止されています。
ドア間の座席は7人掛けから6人掛けに。これは各車両にフリースペースを設けたこと、乗降口付近のスペースを広く取ったこと、座席幅を6300形より25ミリ広くしたことなどが理由です。

各車両の乗車定員は、1・8号車が139人(座席39人)、中間車が149人(座席45人)。6両編成と比較すると、車両全体では定員が862人から1172人へと増加しています。
充実した車内設備、人にやさしいユニバーサルデザイン
6500形では、LED照明を採用したり、1両当たり4台の防犯カメラを設置するなど、設備面も最新の通勤車両に相応しいものとなっています。

たとえば扉上に設置された液晶ディスプレイ。広告用1画面+案内2画面の構成ですが、3画面タイプを入れたのは都営交通としては初めて。理由は「路線長がかなり伸びるため、先の先までご案内できるように」とのことで、2023年3月の相鉄・新横浜線開業を機にどこまで乗り入れるようになるのか気になるところです。
その他にも、客室設備においては「吊革の高さを3段階に設定」「側窓に熱暑感を軽減するIRカットグリーンガラスを採用」「荷物棚の高さを抑える」など、ユニバーサルデザインの考え方を取り入れた「人にやさしい車両」と言えそうです。

記事:一橋正浩